「デフォルト」という言葉に悩む韓国政府

 欧州の財政危機のあおりで、韓国のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のプレミアムが上昇しています。9月末現在、韓国債のCDSプレミアムは2.2%で、8月末に比べ0.9%上昇しました。欧州各国に比べ、同じ期間に平均2倍以上の上昇を示したことになります。

 CDSプレミアムとは、簡単に言えば、債券が債務不履行(デフォルト)に陥るリスクを第三者に負ってもらうのに必要な手数料を指します。一種の保険料とも言えるでしょう。そして、債券が債務不履行に陥った場合、保険金を受け取れると考えれば理解しやすいかもしれません。韓国債のCDSプレミアムが2.2%ということは、1億ドル(約76億7000万円)の保証を受けるために、220万ドル(約1億6900万円)の保険料を支払わなければならないことを意味します。

 ところで、CDSプレミアムという単語は難しいため、しばしば「国家デフォルトリスク」と解釈されることがあります。CDSプレミアムが上昇すると「国のデフォルトリスクが高まった」と表現されたりします。こうした表現は本質と関係なく、それを聞いた人の恐怖心を刺激します。

 このため、企画財政部(省に相当)はCDSプレミアムをどう言い換えるべきかについて悩んでいるといいます。ある当局者は「国家デフォルトリスクが上昇したという報道を見て、女房に『韓国は滅ぶのか』と尋ねられた」と言っていました。

 企画財政部は「国家信用保険料」という翻訳が最も適切だと判断し、証券会社のアナリストなど専門家の反応をうかがったところ「CDSプレミアムという言葉を長年使ってきたので、どうもしっくりこない」という意見が大勢だったといいます。企画財政部は「国家債券保険料」「国家債券保証保険料」といった表現も検討しています。何か良い表現はないものでしょうか。

パク・ユヨン記者
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