＜７回２失点でチームは２位確定＞

　日本ハムの担当記者から聞いた話だ。
　斎藤佑があるとき、年上のマスコミ関係者と食事に出掛けた。昼食には遅く、しっかり夕食を取るには早過ぎる。中途半端な時間帯に、２時間程度、時間が空いた。「知ってる店があるのでそこで構いませんか？」と斎藤がうながし、向かった先は都内の料理店。そこで２人は肉を食べた。
　斎藤は飲んでビール１杯。そもそも飲めないクチだし、年上のマスコミ関係者も自分ひとりでグイグイやるわけにはいかない。肉とご飯におかずを少々、食べた程度だろう。勘定はどうやら、２人合わせて数千円だったらしい。
　斎藤は年上のマスコミ関係者が伝票をつかもうとするのを制し、「お世話になっていますし、ボクが払いますから」とレジへ。サイフから現金ではなく、クレジットカードを取り出して支払いを済ませた。
　日ハムの若手では中田がよく、裏方を何人か連れて食事に行く。中田は酒が強いうえによく飲むし、例えば焼き肉を食べて支払いが３人で５万円を超すこともある。それでも中田は常に現金で支払いを済ませる。
　そんな中田とは対照的な斎藤に、チーム内外から「アイツはしっかりしている」「堅実」という声が上がっている。
　さて、その斎藤がこの日（１２日）、オリックス戦に先発。初回に３連打などで２点を失ったが、失点はそれだけ。７回を６安打２失点に抑え、相手エースの金子千とがっぷり四つに投げ合った。試合は引き分けたものの、斎藤の好投もあって日ハムは２位を決めた。
　これでペナントレースの先発は終了。プロ１年目のシーズンは６勝６敗といまひとつながら、７回を無失点だった６日の楽天戦から左足に体重が乗った中身の濃いピッチングを見せている。
「（５月上旬に左脇腹の）ケガをしたことを考えると、よくここまできたと思う。ただ、今季を振り返るのはまだ。クライマックスシリーズ（ＣＳ）でもチャンスが回ってきたら、しっかり仕事ができるようにしたい」とは試合後の斎藤。
　ＣＳでもグラウンド外同様、堅実な投球が期待できそうだ。

▽京セラドーム大阪＝１万７８４１人（日本ハム１２勝８敗２分）
日本ハム０００２００００００―２
オリックス２０００００００００―２
（十回終了規定により引き分け）


【パ・リーグ成績表（１２日現在）】
チーム／試合／勝数／敗数／引分／勝率／差／残り
◆（１）ソフトバンク／１３９／８６／４４／９／．６６２／―／５
◆（２）日本ハム／１３９／７１／６１／７／．５３８／１６．０／５
◆（３）オリックス／１４０／６７／６６／７／．５０４／４．５／４
◆（４）西武／１４０／６６／６７／７／．４９６／１．０／４
◆（５）楽天／１４０／６４／７０／６／．４７８／２．５／４
◆（６）ロッテ／１３８／５２／７７／９／．４０３／９．５／６