震災後の県外転校 1万4000人
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震災後の県外転校 1万4000人

10月13日 17時45分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東日本大震災のあと、岩手・宮城・福島の3県から県外の学校に転校した子どもは、ことし9月1日現在で、およそ1万4000人に上り、このうち85%は福島の子どもであることが文部科学省の調査で分かりました。

文部科学省は、東日本大震災のあと、別の学校に転校した小中学生や高校生などの人数をことし9月1日現在で調査しました。それによりますと、全国で県外の学校などに転校した子どもは合わせて1万5564人で、このうち89%に当たる1万3933人は、岩手・宮城・福島の3県から県外に転校した子どもでした。転校した子どもは、福島が最も多い1万1918人で、3県で転校した子どもの85%を占め、前回、5月の調査より1900人余り増加しました。福島から県外に転校した子どもは、小学生が最も多い55%で半数を超え、次いで幼稚園児が17%、中学生が16%、高校生が10%などとなっています。福島に次いで県外への転校が多いのは宮城県で1702人、岩手県は313人でした。3県の子どもの転校先は、山形県が最も多い1362人、東京都が1295人、埼玉県が1278人でした。一方、県外ではなく同じ県内の学校に転校した子どもは、福島が6450人、宮城が2896人、岩手が813人でした。転校の理由について、文部科学省は「原発の事故による放射線に対する不安や仮設住宅への移動に伴う転居で、夏休みを経ても特に福島で小さい子どもを中心に転校が続いている」と話しています。

被災地の子どもたちは、避難や親の仕事の関係などでことしになって転校を2回以上するケースもあるため、中には慣れない環境で精神的なストレスを受けたり、学習が遅れたりする子どももいます。このため学校では、精神面と学習面でこうした子どもたちを支援していくことが課題になっています。さらに被災地の学校では、転校で急激に子どもが減ったり、逆に増えたりしたため、授業の進行や運動会などの学校行事に影響が出るなど、教師側の負担も重くなってしまう現状があります。