ソニー(本社・東京)は12日、07~08年に製造した薄型液晶テレビ「ブラビア」の5機種に、出火につながる重大な欠陥がある可能性があるとして、国内で販売された計約18万9000台を無償点検・修理することを決めた。インターネットや新聞などを通じて購入者に呼び掛ける。
また、同機種を含む類似構造の液晶テレビは世界各国に約160万台出荷されており、これらについても、ネットや販売店などを通じて点検を呼び掛けるという。
同社によると、テレビ上部のプラスチック部分が焼けて穴が空くなどの不具合が▽08年に1件▽10年に2件▽11年に7件--報告された。同社が調べたところ、液晶バックライトを点灯させる変圧器(インバータートランス)に不具合があり、ショートして近くの部品に引火する可能性があるという。
報告された事故のほか今年9月28日、長崎市彦見町の民家でテレビ裏側から炎と煙が出るボヤがあり、この件についても不具合との関係を調べている。
薄型テレビを巡っては、07年12月、大阪府内で韓国・サムスン製のテレビが視聴中に背面から発火する事故が発生。日本サムスンはこの火災の約3カ月前に不具合が見つかったとして、5159台を対象に既にリコールを実施していた。このほか、07年には東京都内で国内の別メーカーの薄型テレビから煙が出る事故も確認されている。【梅田啓祐】
「KDL-40X5000」「KDL-40X5050」「KDL-40W5000」「KDL-40V5000」「KDL-40V3000」
国内約18万9千台
液晶バックライト点灯用 インバータートランス
テレビを正面から見て右下(下図の○印部分)に機種名が表示。
2011年10月12日