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国際
焦る中国投資家…不動産たたき売りでマネー逆流
温州商人が物件を売り急ぐ背景には、地元の温州市で高まる“債務危機”がある。
中小の民営企業が多い同市では、当局の融資抑制方針で銀行から資金を調達できない企業が増え、民間の高利貸の需要が急速に膨らんだ。
高利に引かれて本業の事業資金を高利貸に投じる企業や転貸融資を行う個人投資家も続出。中国メディアが報じた中国人民銀行(中央銀行)温州市支店の今年7月発表の報告書によると、市内の家庭・個人の約9割、企業の約6割が民間融資に関与する状況となっている。
経営者失踪相次ぐ
こうした高利貸の金利は高いもので年利100%を超える。世界的な景気低迷で経営環境に逆風が強まるなか、借り手である企業の資金繰りが悪化すれば、大きな債務危機に発展しかねない。毎日経済新聞が引用した仏系証券会社CLSAのリポートによると、温州市の民間融資の未償還残高は8000億~1兆元(約9兆6000億~12兆円)に達しており、うち10~15%が年内に不良債権化する見通しという。
借金返済に窮した企業経営者の失踪も9月以降に急増するなど、同市では債務危機勃発の兆候が出始めた。同市にとどまらず、上海市近郊や福建省、内モンゴル自治区などでも経営者の失踪が伝わっており、危機拡散の気配もちらつく。
香港で不動産を売り急ぐ温州商人たちの行く末はどうなるのか。中国の景気拡大局面で注目された彼らの動向が、いま新たに関心を集めている。(上海支局)
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