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【社会】

世田谷の高線量 最高3.35マイクロシーベルト検出

2011年10月13日 14時01分

高い放射線が検出された場所で、放射線量を測定する業者=13日午前10時2分、東京都世田谷区弦巻で(中西祥子撮影)

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 東京都世田谷区弦巻の民家脇の区道で、毎時二・七〇七マイクロシーベルト(一マイクロはミリの千分の一)と高い放射線量が測定された問題で、区は十三日、専門業者を現地に派遣して放射線量を再測定し、地表から一メートルの高さで三・三五マイクロシーベルト(暫定値)を検出した。地表面ではこれより一マイクロシーベルト程度低く、区は民家の所有者の同意を得て、原因箇所とみられる敷地内の除染を行う方針。

 民家は木の塀から樹木が区道の歩道側にはりだすように茂っており、区は樹木の葉も採取。民家敷地内も測った。放射性物質の付着など早急に調査結果をまとめる。暫定値では、地表五センチで約二マイクロシーベルト、高さ二メートルでは一・九マイクロシーベルトだった。現場から十メートルほど離れた路上では、〇・一マイクロシーベルト程度の値だった。

 毎時三・三五マイクロシーベルトは、計画的避難区域の福島県飯舘村役場で十三日昼に測定した二・一七三マイクロシーベルトを上回る。しかし、毎日八時間を外で、十六時間を屋内で過ごすと仮定して計算すると、年間の積算放射線量は一七・六ミリシーベルトになり、政府が住民に避難を指示する目安とされる年間二〇ミリシーベルトは下回る。

 測定に立ち会った斉藤洋子区環境総合対策室長は「通常と異なり、地表面より上の地点で値が高い。原因について専門家の助言を得ながら対応したい。敷地内の樹木の撤去なども所有者の同意を得て検討する」と話した。

 区の担当課には同日朝から「住民に知らせるのが遅い」「健康に影響はないのか」「ほかの場所も調べるべきだ」など区民の問い合わせや苦情が殺到。「極めて限定的なので通行するだけなら健康に心配はない」などと対応に追われた。

 現場を学区とする区立松丘小と弦巻中は、「混乱が懸念されるので、念のための安全確保」(区教委)として、急きょ通学路を変更。周辺半径約二百メートル内の交差点などには、午前七時二十分ごろから区教育委員会の職員ら約十人が立ち、子どもたちを迂回(うかい)させた。

■監視態勢を強化 官房長官

 藤村修官房長官は十三日午前の記者会見で、東京都世田谷区で高い放射線量が測定された問題に関連して、全国の放射線モニタリング態勢を強化する考えを示した。

 藤村氏は世田谷区への対応について「高放射線量が観測された自治体からの相談に応じ、専門機関と連携しながら適切に対応したい」と強調。「全国のモニタリングについて、より充実強化を図っており、きめ細かな対応をしたい」と述べた。

■船橋では5.82マイクロシーベルト 市民グループ測定

 千葉県船橋市で、市議を中心とする市民グループが、同市の「ふなばしアンデルセン公園」(金堀町)の畑の地表面一センチの放射線量を測定したところ、毎時五・八二マイクロシーベルトを検出していたことが十三日分かった。

 検出は十二日午後二時ごろ。雨どいの水がたまっているような環境だったという。

 同市は、十三日午前、職員を派遣して再測定するとともに、現場を立ち入り禁止にした。

(東京新聞)

 

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