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政治
【主張】慰安婦基金 前原氏の構想は禍根残す
民主党の前原誠司政調会長は韓国の金星煥(キムソンファン)外交通商相との会談で、慰安婦問題について「人道的観点から考える余地はないか、お互いに議論したい」と述べた。会談後、村山富市政権時代の「女性のためのアジア平和国民基金」(アジア女性基金)を参考にした新たな基金構想を示唆した。
アジア女性基金は、いわゆる「従軍慰安婦」の強制連行を根拠なしに認めた平成5年の宮沢喜一内閣の河野洋平官房長官談話などを踏まえ、7年に発足した。
元慰安婦1人につき200万円の償い金の支給と医療・福祉支援事業を行った。国としての賠償問題は昭和40年の日韓基本条約で解決済みであるため、償い金は民間からの募金で賄い、支援事業には政府資金を充てた。
台湾、フィリピンなどの元慰安婦には、申請に沿って償い金が支払われたが、韓国では、多くの元慰安婦が受け取りを拒否した。
そのような基金に似たものをもう一度つくろうという前原氏の構想は問題である。日韓友好のためにもならず、両国の関係に大きな禍根を残すことになろう。
先の日韓外相会談で、韓国側から慰安婦問題の賠償請求権に関する協議を始めるよう求められた。玄葉光一郎外相は「請求権問題は解決済み」としたうえで、「この問題が日韓関係に悪影響を及ぼさないようにしたい」と述べた。
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