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事件
「ほっとした」「価格が心配」福島の米、全域で出荷へ
収穫後の一般米について福島県は県内すべての市町村で放射性物質が国の暫定基準値(1キロ当たり500ベクレル)を下回ったと発表した。予備調査で暫定基準値と同じ値が検出されていた二本松市では、農家やJA職員らがひとまず胸をなで下ろした。しかし、福島県産品全体に広がる風評被害の懸念は根深く「価格の下落が心配」との声も聞かれた。
二本松市では、本調査に先立つ予備調査で、暫定基準値と同じ1キロ当たり500ベクレルの放射性セシウムが検出された。20アールに作付けした市内の農家、関元弘さん(40)は「行政からは調査が終わるまでコメの流通や移動を控えるよう指示が出ていた。ようやく流通に乗せられる」と安(あん)堵(ど)の表情を見せた。
関さんによると、同市のコメ農家は、調査結果を待つため刈り入れを遅らせたり、刈り入れたコメを袋に入れ、納屋などに山積したりしている状態という。「予備調査で基準値を超えたことで、本調査では市内の約300地点が対象になった。かえって“安全”のお墨付きが出た」と話す。
二本松市の「JAみちのく安達」の渡辺斉営農部長(54)も「(暫定基準値を)超えないでくれ、とお祈りしていた。13日から早速、等級検査や買い入れを始める。ようやく農家にお金を渡せる」とほっとした様子。JAには米業者から“基準値を下回れば取引させてほしい”という引き合いがあり「全く売れないということはなさそうだ」(渡辺部長)という。
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