現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 社会
  4. その他・話題
  5. 記事
2011年10月13日7時32分

印刷印刷用画面を開く

mixiチェック

このエントリーをはてなブックマークに追加

ローカル鉄道の廃止加速 乗客急減、自治体支援も限界

写真:十和田市駅で出発を待つ十和田観光電鉄の車両=青森県十和田市拡大十和田市駅で出発を待つ十和田観光電鉄の車両=青森県十和田市

 ローカル線の廃止が加速している。乗客減少に歯止めがかからず、採算性の改善が難しいためだ。国の支援策も乏しく、存廃の岐路に立つ会社は少なくない。

 11日、青森県の十和田観光電鉄(十和田市―三沢、14.7キロ)は、今年度末での廃線を正式に発表した。来年4月からは同社が路線バスを運行する。

 1922年の開業で、昨年度の乗客はピーク時(70年度)の3割弱、45万9千人だった。少子化に加え、昨年12月に東北新幹線の七戸十和田駅が十和田市に隣接する七戸町に開業したことが響いた。鉄道の赤字を補っていたホテルやバス事業の収入が東日本大震災で減ったのも痛手だった。

 2002年度以降、沿線自治体から計約1億7千万円の支援を受けた。8月下旬、今後10年間で必要な設備投資や修繕費など5億2100万円の支援をさらに求めたが、沿線3市町は「経営改善が見込めない」と拒否。同電鉄は「自治体の全面支援が無ければ、事業を続けることはできない」(白石鉄右ェ門社長)と断念を決めた。

 国土交通省によると、00年度以降に廃線となったのは33路線(計634.6キロ)。09年度は全国92のローカル線運営会社のうち、8割強(76社)が経常赤字だ。国は、98年度に「赤字穴埋め策」を打ち切っている。「交通機関の確保は必要だが、鉄道にこだわる必要はない」(国交省幹部)とのスタンスだ。

 その一方、住民運動や自治体の支援策などで存続につなげた路線もある。和歌山電鉄貴志川線は存続運動が起こり、スポンサー企業が事業を引き継いだ。最近はネコ駅長「たま」が話題で利用者が増加。鉄道事業は赤字だが、赤字額は自治体が支出する年間限度額(8200万円)の枠内に収まっている。

PR情報
検索フォーム

おすすめリンク

駅弁女王として知られる著者の集大成!今までに食べた駅弁5000個から選び抜いた555個を紹介

日本を代表する避暑地や名所でホットスポットが…。調査で判明した意外な事実とは?

記憶に残る鉄道のある情景を自分の手で再現。ジオラマ作りのすべてがわかる一冊


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内 事業・サービス紹介