大分県由布市で10日あった恒例の「由布院牛喰(く)い絶叫大会」(由布院温泉観光協会などの実行委員会主催)で、地元選出の近藤和義県議(77)=自民=が地元産牛肉の安全性を強調した後「セシウム牛はいりません」と絶叫した。
県畜産協会長も務める県議は、絶叫の手本を示すために登壇。「(福島第1原発の事故で)セシウムのついたわらを食べた牛肉が出回ったが『ゆふいん牛』は地元産のわらで育てているので安全です」などと説明。続いて「セシウム牛はいりません」と叫んだ。
4期目で議会運営委員長。県議は西日本新聞の取材に「畜産農家は風評被害に悩まされ続けている。福島との比較ではなく、会場の皆さんに(地元産牛肉は)安全だと分かってほしかった」と話した。
県議の絶叫後、会場は一瞬静まり返った。その場にいた佐賀県みやき町の主婦(28)は「気持ちはわかるが、もう少し被災地への配慮があってもよかったのでは」と話した。
=2011/10/11 西日本新聞=