【ソウル神屋由紀子】韓国政府は7日、障害者に対する性犯罪防止策を発表した。主に再犯者を対象とする衛星利用測位システム(GPS)を利用した「電子足輪」の装着について、障害者が被害者の場合、初犯者にも適用するなど対策を強化した。
実話を基に、障害児に対する校内の性暴力事件を描いた映画「トガニ」がヒットし、改善策を求める世論が強まっていた。対策を発表した任鍾龍(イムジョンニョン)首相室長は「映画の封切り後、改善策が必要という社会的な要求に積極的に応じた」と述べた。
電子足輪装着は、現行制度では被害者が16歳以上の場合は再犯者に適用し、16歳未満の場合は初犯者も対象としている。政府は、障害者は年齢に関係なく犯罪に遭っても抵抗したり、被害を訴えたりすることがより困難な「弱者」と判断し、適用範囲を拡大した。強姦(ごうかん)罪の法定刑(3年以上)も、障害者事件は「5年以上」と重くした。
また、映画の素材となった実際の事件が発生した光州市の私立学校を閉鎖し、在校生22人を転校させることも決めた。
政府調査によると、光州の事件は5年間で被害生徒が10人に及び、加害教師4人が今も学校に在籍。捜査当局や教育行政当局が批判を浴びていた。
=2011/10/08付 西日本新聞朝刊=