韓国の次世代型高速鉄道車両、実験で時速430キロ達成

線路上の実験では370‐400キロを目標

 11日午後、京畿道義王市にある韓国鉄道技術研究院の台車(車体の重量を車軸に伝えるとともに走行・制動機能を備えた装置)実験棟。韓国が開発を進めている次世代型高速鉄道車両のモーターが動き始めた。車両の下にある2台の車軸に取り付けられた四つの車輪が回り始めてから2分30秒後、スピードメーターには「時速100キロ」と表示され、さらに5分後には200キロ、10分後には400キロに達した。そしてその1分後には最高時速の428.7キロを記録した。政府が2007年から、韓国独自の技術で開発を進めている次世代型高速鉄道車両が、時速430キロでの走行実験に成功したというわけだ。

 この日の走行実験は、最高速度430キロで動く実験用のレールに車両を載せ、車輪を回す方式で行われた。車両のテーブルには、揺れの程度を把握するため、ワインが半分程度入ったグラスが置かれた。速度が上がるにつれ、若干の揺れは生じたが、走行する車両の中を移動する上で特に支障はなかった。そして最高速度の430キロに達しても、テーブルの上のワイングラスは動かず、中に入ったワインが左右に5ミリ程度揺れただけだった。

 政府はこの日の実験成功を受け、台車に車体を載せた6両編成の車両を今年末までに製作し、来年初めごろに韓国高速鉄道(KTX)京釜線の線路上で走行実験を行う計画だ。線路上での走行実験では、最高速度370‐400キロを目標にしている。この高速鉄道車両が実用化されれば、ソウル‐釜山間を1時間30分程度で走行可能になる、と政府は説明している。

 国土海洋部(省に相当)の関係者は「技術面の補完や走行実験を経て、2015年に次世代型車両を現場に投入することを目標としている。この車両が実用化されれば、全国どこへでも1時間でアクセスできるようになる」と語った。ソウルと全国ほとんどの地域を6時間程度で往復することも可能になるというわけだ。

 政府が現在開発を進めている次世代型高速鉄道車両は、車両を動かす動力がそれぞれの車両から発生する点(動力分散方式)が、KTX山川(サンチョン)=韓国で開発された新型車両=とは異なる。鉄道技術研究院のキム・ギファン博士は「KTX山川は先頭と最後尾の動力車が列車を動かす(動力集中方式)が、次世代型車両は中間にある車両にもモーターが取り付けられているため、これまで以上にスピードアップが可能になった」と話した。だがこれまでに比べ、車両の製作費は10%程度高いという。

 世界に目を向けると、フランスが開発した高速鉄道車両が、実験で最高時速574キロを記録した事例がある。フランスは現在、高速鉄道の営業運転を時速320キロで行っており、高速鉄道の導入を進める国に対しては「最高時速360キロ」と宣伝している。

 現在のところ、営業運転中の高速鉄道としては、中国の北京と上海を結ぶ高速鉄道が最も速く、350キロを記録している。鉄道技術研究院の洪淳晩(ホン・スンマン)院長は「韓国が最高時速370‐400キロで走行可能な車両の開発に成功すれば、フランスや中国を抑え、世界最高の鉄道技術を有する国となる」と語った。

郭彰烈(クァク・チャンリョル)記者
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