ミニゲームでボールをキープする三都主(右)=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで(伊東朋子撮影)
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名古屋グランパスは11日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで12日の天皇杯のFC鈴鹿戦(瑞穂陸)に向けて練習した。出場機会を望んでいるのは若手だけではない。清水時代の2001年に天皇杯優勝を経験しているMF三都主アレサンドロ(34)もタイトル奪取に燃えている。
三都主のよく通る声がグラウンドにこだました。右膝痛の闘莉王が別メニューで調整する中、34歳のベテランは声でもチームを引っ張った。ナビスコ杯で2試合連続フル出場した阿部がメンバーを外れたため、左DFとして、8月20日のJ1仙台戦(瑞穂陸)以来約2カ月ぶりの公式戦先発が濃厚だ。
9日のナビスコ杯準決勝の鹿島戦を「まだ悔しい」と嘆く。0−1とリードを許した後半31分に交代枠の最後のカードとして投入された。3バックシステムに変更し、左MFに入った。「サイドのスペースを使ってチャンスメークをする(というストイコビッチ監督の)指示だった。チヨ(DF千代反田)を後ろに入れて闘莉王を前線に上げることもできたのに使ってくれた」。だからこそ自分の武器であるサイドからのクロスで得点に絡みたかったが、期待に応えられず、決勝進出を逃した。
5、9日のナビスコ杯が延長戦までもつれ込み、15日にJ1首位のG大阪との大一番を控えているだけに、格下相手の天皇杯初戦には出場機会の少ない選手にもチャンスがある。「与えられたチャンスで結果を出すことが仕事。試合に出ていない選手はチャンスをもらって光らないといけない」と意気込む。アピールという言葉は好きではない。「自分のできることを見せる」。どのポジション、どのタイミングでも準備はできている。
「取れるタイトルは全部取りたい」と貪欲さを前面に押し出す三都主。これまで天皇杯だけでなく数々の栄冠を勝ち取ったベテランは満足せず、さらに結果を追い求める。 (伊東朋子)
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