大手広告会社「電通」の元部長が、イベントの制作費の名目で取引先の会社から1億5000万円余りをだまし取ったとして、詐欺の疑いで東京地検特捜部に逮捕されました。
逮捕されたのは、電通の旧エンタテイメント事業局の元部長で会社役員の大森章道容疑者(46)です。東京地検特捜部の調べによりますと、大森元部長は、平成20年10月ごろ、知人が社長を務める会社に対し、イベントの制作費を負担すれば翌月に5%上乗せして支払うなどと偽り、1億5000万円余りをだまし取ったとして詐欺の疑いがもたれています。これまでの調べによりますと、大森元部長は、この会社の従業員に「イベントは電通が扱っていて、私が担当している。電通で予算も組んである」などと言って信用させていたということで、特捜部は、詳しい経緯を調べています。大森元部長は、去年3月、業務委託先と架空取り引きを繰り返していたとして、電通を懲戒解雇されています。大森元部長が逮捕されたことについて、電通の広報部は「元部長が関与したとみられる架空の取り引きを巡って、電通は民事裁判を起こされており、コメントは差し控えます」としています。