首都圏でも局地的に放射線濃度の高い場所があるが、この「ホットスポット」はどうして、どういうところで起こるのか。
文部科学省が測定しているモニタリングポストの今月12日(2011年6月)の1時間当たり放射線量は、水戸市0.095マイクロシーベルト、さいたま市0.05マイクロシーベルト、東京・新宿0.059マイクロシーベルト、千葉・市原0.044マイクロシーベルトと低い数値を示していた。
ところが、各自治体が独自で測定したところ、近隣の東京の足立では0.22マイクロシーベルト(6月10日)、葛飾0.31マイクロシーベルト(5月25日)、千葉・柏では0.54マイクロシーベルト(5月31日)と高かった。
とくに、柏市は市内3か所の地表50cmのところで測定、最大0.54マイクロシーベルトを記録した。これは市原市内の12倍以上に当たるという。
雨で集まってくる「ホットスポット」
なぜこうも違うのか。日大放射線防護学の野口邦和専任講師は次のように説明する。
「放射性ヨウ素やセシウムは常温では固体で、空気中の粉塵に付着して風で運ばれる。雨が降れば、降ったところで落ちるのでそこがホットスポットという状態になる」
国の放射能検査だけでは正確ではないことが分かったのだが、司会のみのもんたが粗雑な国の検査体制に一言――。
「ところによってはホットスポットという言葉が使われる。これからの原子力エネルギーを考えるのも大事だが、今どういう事態に直面しているか分からないとダメですよ」
柏市の公園では、普段なら多い子どもたちの遊ぶ姿や散歩する人の姿が、いまはほとんど見られなくなっている。(TBS系ワイドショー朝ズバッ!)
「hotspot ホットスポット」とは、局地的に何らかの値が高かったり、局地的に(何らかの活動が)活発であったりする地点・場所・地域のことを指さすための用語で、具体的には以下のような場所を指します。
1.紛争地域。また、危険な場所。犯罪の多発地帯。「空き巣の―」
2.人気のある場所。現在、注目されている施設や場所。流行の盛り場。
3.マントル内部の特別な高温部。マグマを発生しつづけ、その上で火山活動が起きていると考えられる場所。ハワイ島はその典型。
4.原子力発電所の爆発事故の際に、点状に生じる放射能汚染の激しい地域。
5.( hotspot )無線LANに接続してインターネットを利用できるサービス。また、それを提供する場所。主に大都市圏の駅、ホテル、喫茶店、ファーストフード店などに設置されている。ホットスポットサービス。無線LANホットスポット。
6.機械の内部などにある熱だまり。
7.生物多様性が高いにもかかわらず、破壊の危機に瀕している地域。1988年に英国の生物学者ノーマン=マイヤーズが提唱。生態系保全活動に取り組む国際NPOのコンサベーションインターナショナルが、熱帯アンデス、スンダランド(マレー半島・スマトラ・ジャワ・カリマンタン島など)、イラン・アナトリア高原、アフリカの角(アフリカ半島東端)など34か所を生物多様性ホットスポットとして発表。日本列島もその一つに含まれている。(デジタル大辞泉)