東日本大震災直後に大規模なシステム障害を起こしたみずほ銀行の特例的な預金払い出し措置を悪用し、同行から繰り返し現金をだまし取ったとして、警視庁は12日、山口組国粋会系の暴力団幹部山崎英敏容疑者(45)を詐欺の疑いで逮捕した。
同庁は、詐取金の一部が上部団体に上納され、暴力団の資金源になったとみて調べる。この特例措置をめぐる暴力団員の逮捕は全国初という。
みずほ銀では、震災直後に義援金の振り込みが集中したことをきっかけにシステム障害が発生。3月19〜21日に全国すべての現金自動出入機(ATM)を停止し、窓口で身分証明書やキャッシュカードなどを提示すれば、1人当たり10万円を限度に預金の払い出しに応じる特例措置を取った。
捜査関係者によると、山崎容疑者はこの特例措置を悪用。預金残高が10万円ないのに3月20、21の両日、同行の東京都内の9支店で自分名義のキャッシュカードを提示し、計90万円をだまし取った疑いがある。