ノキア没落、サムスン首位は時間の問題

 スマートフォンでアップルを抜き去ったサムスン電子が、携帯電話端末市場全体でフィンランドのノキアを抑え、世界首位に浮上できるかは、携帯電話業界の一大関心事だ。ノキアは1999年に米モトローラを抜いて以降、12年連続で世界の携帯電話端末市場でトップに君臨してきた。

 携帯電話端末は、小型のパソコン機能を備えたスマートフォンと、電話や携帯メールなどの機能だけを備えた従来型携帯電話(フィーチャーフォン)に分類される。スマートフォンが急速に普及しているが、携帯電話端末市場全体に占める割合はまだ30%にとどまっている。いまだに従来型携帯電話端末の販売台数が2倍以上多い計算だ。

 ノキアは2008年、スマートフォンを含め、携帯電話端末を4億6840万台売り上げた。販売台数ベースの市場シェアは39.8%に達した。2位のサムスン電子は、販売台数1億9660万台で、シェアは16.7%にとどまり、倍以上の差を付けられていた。

 しかし、スマートフォン市場が爆発的に成長し、ノキアの影響力は急速に低下している。重くてデザインが格好悪い上、機能が単純な製品が大半を占めるため、消費者から敬遠され始めたからだ。遅ればせながら、米マイクロソフト(MS)と提携し、今年初めから次世代スマートフォンの開発に着手したが、まだこれといった製品を発表できずにいる。

 今年第2四半期の携帯電話販売台数は、ノキアが8850万台、サムスン電子が7400万台だった。差は1450万台だ。ノキアは南米、アジア、アフリカなど新興市場で低価格の携帯電話を大量に販売し、何とか市場全体で首位の座を守ったにすぎない。ノキアのスティーブン・エロップ最高経営責任者(CEO)自らが「燃える船から飛び降りなければならない」と述べるほど、ノキアは没落の一途だ。

 ノキアの没落はサムスンの躍進を意味する。サムスンが首位に立つのは時間の問題だ。信栄証券は最近、サムスン電子が第3四半期に8780万台の携帯電話端末を売り上げ、ノキアを抜くと予測するリポートを出した。サムスン関係者は「金額ベースでは首位を確信しているが、販売台数ベースでは薄氷の勝負となる」と慎重な姿勢を崩さなかった。第3四半期は無理でも、第4四半期にはサムスンが市場を征服するとの見方が主流となっている。

白剛寧(ペク・カンニョン)記者
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