ワシントン(CNN) 米軍の無人偵察機(ドローン)を操縦するためのシステムが、コンピューターウイルスに感染していたことが分かった。米軍当局者が10日に明らかにした。
当局者によると、ウイルスに感染したのは機密プログラムだったが、世界各地に展開している無人偵察機の運用を停止するような事態にはなっていないという。システムがウイルスに感染した経緯や、駆除対応の状況については明らかにしなかった。
米軍の無人偵察機はイラクやアフガニスタンなどの上空を飛行しているが、操縦は米ネバダ州にある空軍基地のオペレーターが行っている。
この問題について最初に伝えた米IT情報サイトのワイアードによれば、ウイルスは操縦者のキー入力を監視する仕掛けになっており、2週間ほど前に見つかったという。意図的に仕込まれたものかどうかは分かっていない。
米国の無人偵察機はこれまでに、武装勢力のメンバーとみられる人物を大量に殺害してきた。特にここ数年はアフガニスタンとの国境に近いパキスタンの部族地域で無人偵察機の利用が急増、武装勢力を狙い撃ちにしている。パキスタン国内では、この攻撃によって民間人が殺害され、同国の主権が侵害されているとの批判が強まっていた。
アルカイダ系テロ組織の指導者アンワル・アウラキ師も先月、イエメンで無人偵察機により殺害された。