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名港水族館:シャチ3頭借り受けへ 「鴨川」から

名古屋港水族館での受け入れが検討されている「ステラ」=鴨川シーワールド提供
名古屋港水族館での受け入れが検討されている「ステラ」=鴨川シーワールド提供

 名古屋港水族館(名古屋市港区)が、千葉県鴨川市の水族館「鴨川シーワールド」からシャチの親子3頭を年内にも借り受ける方向で調整している。名港水族館はシャチの飼育展示が売り物だったが、今年1月に飼育中だった「ナミ」(雌・推定28歳)が死に、シャチ不在が続いている。受け入れ条件など細部を協議しており、近く正式に発表する。

 両水族館などによると、鴨川から借り受けるのは「ビンゴ」(雄)、「ステラ」(雌)のつがいと、娘の「ラン」。ステラは妊娠中で12年末にも出産予定だ。シャチ用のプールが二つしかない鴨川では出産対応が困難だが、名港水族館はプールを四つ備えるなど「国内で最高の設備」(鴨川)のため、親子での移動が検討されているという。

 名港水族館では08年に初代シャチ「クー」(雌)が病死。昨秋に鴨川からシャチ2頭を4億8000万円で5年間借りる契約を結んだが、ナミが来館からわずか7カ月で死に、死因調査などのため受け入れが延期されている。有識者らで作る調査委員会は今年6月、治療体制の改善などを条件にシャチの飼育を認める方針を示した。

 親子の移動は、妊娠・出産という「緊急事態」(両水族館)への対応。ただ鴨川側は「常識的には、頻繁に移動させづらい」と話しており、出産後も名港水族館が親子を飼育する可能性が高い。

 名港水族館を運営する名古屋港管理組合の管理者、大村秀章愛知県知事は12日の会見で「9月末に先方から打診があった。3頭を引き受けることができるのは大変喜ばしい」と述べた。【安達一正】

毎日新聞 2011年10月12日 13時49分(最終更新 10月12日 13時52分)

 
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