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【社会】

千葉・鴨川のシャチ親子3頭 名港へ 雌が妊娠中、水槽を提供

2011年10月12日 09時00分

来年12月の出産を控え、名古屋港水族館で受け入れる予定のシャチのステラ=鴨川シーワールド提供

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 名古屋市港区の名古屋港水族館が、千葉県鴨川市の鴨川シーワールドから、シャチの親子3頭を受け入れることが、名古屋港管理組合などへの取材で分かった。3頭のうち雌の「ステラ」は妊娠中で、鴨川シーワールドでは水槽が足りず出産が難しいことから受け入れることになった。

 管理組合などによると、先月末、鴨川シーワールドが飼育するシャチ7頭のうち、ステラを含む2頭の妊娠が判明。飼育している水槽では2頭の出産が不可能なため、名港水族館へ受け入れを要請した。名港水族館はシャチ用に3水槽とメーンプールを持っており、国内では他に受け入れられる施設はない。

 シャチは、ワシントン条約で国際取引が規制される希少動物で、世界で飼育されるシャチのうち半数以上が水族館生まれ。名港水族館でのシャチ出産は初めてだが、シーワールドは移送や飼育にかかる費用を全面負担するほか、飼育員や獣医師も同行させ、一切の責任を負うという。

 環境の変化による出産への影響を少なくするため、家族の雄「ビンゴ」と娘の「ラン」も一緒に受け入れる。

 ステラは、現在妊娠3カ月。シャチの妊娠期間は18カ月で、出産は2012年12月の予定。アイスランド生まれで、移送は冬でなければ難しく、母体への影響も考慮して早ければ年内にも移送を完了させる見通し。

 管理組合は昨年11月、繁殖を目指してシーワールドからステラとビンゴを5年間で4億8千万円で借りる契約を結んだ。しかし、水族館で飼育していた雌のシャチ「ナミ」が今年1月に死に、延期になっていた。

 水族館関係者は、今回のステラやビンゴの受け入れに「あくまでシャチを救うための緊急事態で、契約は延期のままだ」と説明している。

 【名古屋港水族館のシャチ】 繁殖の研究などを目的に2010年6月、和歌山県太地町立くじらの博物館から5億円で「ナミ」を購入したが、体調が悪化し今年1月に推定28歳で死んだ。名港水族館のシャチは08年に死んだ雌の「クー」に続き2頭目で、ナミの飼育はわずか7カ月。ナミの死因で専門家委員会は、大量の石の誤飲が引き起こした肺炎に加え、主治医が明確でなかったことなど飼育管理体制の不備を指摘。水族館は、鴨川シーワールドとの契約を延期し、再発防止に向け課題を検証していた。

(中日新聞)

 

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