新燃岳 噴火活動再び活発化も
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新燃岳 噴火活動再び活発化も

10月11日 23時12分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

霧島連山の新燃岳の噴火活動について、火山噴火予知連絡会は、「地下深くからのマグマの供給が続いており、今後、噴火活動が再び活発化する可能性がある」という検討結果をまとめました。

専門家などで作る火山噴火予知連絡会は、11日、気象庁で定例の会合を開き、新燃岳の噴火活動について検討しました。それによりますと、新燃岳では、ことし1月下旬から2月初めにかけて大量の火山灰などを噴き出す本格的なマグマ噴火が起きたあと、6月以降は断続的に7回の噴火が起きています。GPSよる地殻変動の観測では、新燃岳の北西数キロ付近の地下深くにある『マグマだまり』は、1月下旬以降の本格的なマグマ噴火を受けて急激に収縮していましたが、その後、緩やかに膨張を続け、これまでに膨張した量は、マグマ噴火で収縮した分の半分以上に達しているということです。このため火山噴火予知連絡会は、「新燃岳では地下深くへのマグマの供給が続いているため今後、噴火活動が再び活発化する可能性があり、多量のマグマが上昇すれば、1月下旬のような本格的な活動を再開することも考えられる」という検討結果をまとめました。火山噴火予知連絡会の藤井敏嗣会長は、「地下にマグマがたまっている以上、何らかの噴火活動は今後も続くと考えられる。もともと、どこから噴火するのか予測が難しい火山なので、今後も注意が必要だ」と話しています。

一方、鹿児島市の桜島について火山噴火予知連絡会は、「地下深くにある『マグマだまり』の膨張が引き続き観測され、今後も活発な噴火活動が続く可能性があり、活動の推移に注意する必要がある」という検討結果をまとめました。それによりますと、桜島の南岳山頂の東側にある昭和火口では、ことし6月からこれまでに爆発的な噴火が500回以上発生し、火口付近ではごく小規模な火砕流が3回起きたほか、今月6日の噴火では大きな噴石が山の3合目付近に飛びました。GPSによる地殻変動の観測では、桜島の北側の地下深くにある『マグマだまり』は引き続き膨張し、マグマの供給が続いているとみられています。このため火山噴火予知連絡会は、「引き続き活発な噴火活動が続く可能性があり、活動の推移に注意する必要がある」という検討結果をまとめ、昭和火口と南岳の山頂火口からおよそ2キロの範囲では、噴火に伴う大きな噴石や火砕流に警戒するよう呼びかけています。火山噴火予知連絡会の石原和弘副会長は、「桜島は1年半くらいの周期で噴火が活発な時期を繰り返すことが多く、今後もしばらくは活発な状態が続くとみられる。また、溶岩は火口の底の高いところまで上がっていると考えられるため、流れ出る溶岩にも注意が必要だ」と話しています。