東日本大震災で被災した宮城県女川町で11日、コンテナを積み上げる工法で建設した2階建て仮設住宅3棟(計45戸)への被災者の引っ越しが本格化した。全国初の試みとなる3階建て仮設住宅6棟(計144戸)は今月末までに完成する見込み。同町は仮設住宅の建設に適した平地が少なく、高台にある町総合運動場町民野球場に2、3階建て仮設住宅を8月から建設している。
2階建て仮設住宅は今月9日に完成。入居は10日から始まったが暦では仏滅だったため、多くの入居予定者は大安の11日に引っ越し作業を始めた。108人が入居する予定。
2階に夫婦で入居する主婦の松下きよのさん(64)は同日、隣接する避難先の体育館から布団などを搬入。木製の収納棚があつらえられた約30平方メートルの広さの室内を見渡し、「当面の我が家ができた。まずは夫のため、野菜をふんだんに使った料理をつくりたい」と笑顔を見せた。
町によると、11日現在で町内には6カ所の避難所があり、215人が生活する。町が建設を予定している仮設住宅1294戸のうち、未完成は町民野球場の3階建て住宅だけとなった。完成すれば、2万2043戸に及ぶ宮城県内の仮設住宅は全て建設を終える。【平川哲也】
毎日新聞 2011年10月11日 21時24分(最終更新 10月11日 22時22分)