後発SNSが先発SNSを追い抜く時
2010年12月24日(金)
まずはこちらのグラフをご覧いただきたい。mixi、グリー、モバゲー各SNSの会員数の推移である。(縦軸は総会員数)
(参考:各社IR資料)
ご存じの通り、SNSはネットワーク外部性が顕著に働くプラットフォームビジネスである。(※ネットワーク外部性とは電話などのネットワーク型サービスにおいて、加入者数が増えれば増えるほど、1利用者の便益が増加するという現象である。 Wikipedia参照)
このため、SNSにおいては先行者がネットワーク外部性を活かし優位にたつと言われている。(http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0608/28/news044.html)
しかし、このグラフを見ていただいてもわかるように先行企業であるはずのmixi、モバゲーはグリーによって会員数で追い抜かれてしまっている。
これがどういったことを表すのかというと、SNSのようにネットワーク外部性が強く働くプラットフォームビジネスにおいても後追い企業の逆転は可能なのである。
日本におけるFacebookも今着実に先行企業(mixi)に迫っている。下記はFacebook日本ユーザーの推移であり、総数はまだ約180万人とmixiにはまだまだ遠く及ばないが、上記の例を見てもわかるように戦略によっては後追いSNSも逆転が可能なのだ。
この意味では、日本におけるFacebookの戦略・アクションについては、今後もさらに注目していくべきだろう。
(参考 Socialbaker:http://www.socialbakers.com/)
ちなみにこの状況は日本国内だけで起こっているのではない。お隣韓国でも日本以上に早いスピードで起こっている。
下記のグラフは2010年11月の国別のFacebookユーザー増加数及び先月からのユーザー数の 増加率である。
(参考 Socialbaker:http://www.socialbakers.com/)
(参考 韓国Facebookユーザー数推移 Socialbaker:http://www.socialbakers.com/)
グラフを見てみると、二桁代の成長を見せているのが、ブラジル、ロシア、ポーランドそして韓国だ。特に、韓国のFacebookユーザーは2010年10月時点では約170万人程度だったにもかかわらず、1ヶ月で約50万人も増加している。韓国 第一位(mixi公式プレス記事http://mixi.co.jp/press/2010/0910/3751参照)のSNS、Cyworldの約2,500万人の会員数には遠く及ばない数字であるが、急成長を遂げている。
このように韓国ではCyworldという巨大SNSが存在しているにもかかわらず、月に50万人もFacebookの会員数が伸びた。会員数の規模だけみると韓国の状況は国内のFacebookとmixiの関係に似ており、国内においてもFacebookの急激な成長を見せる可能性を感じさせる。韓国のFacebookの急成長には複数要因あると思うが、そのポテンシャルから国内Facebookの躍進も期待したい。