SPEEDI:予測非公表、「避難活用の発想なし」指摘

2011年8月17日 15時0分 更新:8月17日 15時4分

 東京電力福島第1原発事故で放出された放射性物質の拡散を予測する「緊急時迅速放射能影響予測システム」(SPEEDI)の予測結果が、事故から約2週間公表されなかった背景が、政府の「事故調査・検証委員会」(事故調)の調査で17日分かった。SPEEDIを運用する文部科学省をはじめ、内閣府原子力安全委員会、経済産業省原子力安全・保安院も予測結果を避難に役立てようという発想がなかったと指摘している。

 SPEEDIは原発事故などの際、放射性物質の放出量などを入力すると、風向きなどの気象条件や地形をもとに拡散状況を予測するシステム。事故発生当初は放射性物質の放出量などが分からなかったため、3者は放出量を仮定し、予測結果を出した。

 事故調は当時の関係者らから事情を聴き、文科省と安全委については「避難に役立てようとする発想はなかった」、保安院については「データは不十分で公にするには適当でないという認識だった」としている。

 「公表すべきだ」との批判を受け、安全委は事故から12日たった3月23日、予測結果を初めて公表。水素爆発などが続発した発生当初、住民の被ばくを抑える避難などには生かされなかった。

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