【なでしこジャパン特集】岩清水梓（ＤＦリーダー）

＜スポンサー付きでベレーザ入りでも年俸は６００万円＞

　なでしこジャパンのＤＦ岩清水梓（２４）が、所属クラブの日テレ・ベレーザとプロ契約を結んだ。
　名門ベレーザも０９年に親会社の日テレが手を引き、現在は「命名権分の運営費」しか負担していない。当然、クラブ経営は火の車。選手全員がアマチュア契約でスパイクなども自前。それどころか「遠征費の一部など選手は自己負担させられていた」（サッカー記者）という。ところがＷ杯優勝とロンドン五輪予選突破で潮目が変わった。
　岩清水の出身地・岩手で飲食店などを経営する平川商事、健康食品などを販売するＳＯＮＯＫＯとスポンサー契約を結ぶことになり、これが「岩清水とのプロ契約の原資となった。Ｗ杯に出場したＦＷ岩渕、五輪代表に選ばれた永里妹もプロ契約を結ぶ方向で話が進んでいる」（前出の記者）。

＜引退後は広告塔＞

　ちなみに「年俸は６００万円」（前出の記者）といわれている。高給取りではないが、国内組のプロ契約選手は「神戸所属の沢、大野に浦和所属のＧＫ山郷、ＤＦ矢野の４人だけ」（サッカー関係者）。このことを思えば安いだのナンだのは言ってられない。そもそも日テレには「引退後も広告塔として岩清水を利用したい」（前出の関係者）という思惑がある。
「岩清水はＷ杯後、ベレーザのユニホームを着て日テレのバラエティー番組などに出演。物おじしない性格でテレビ関係者の間では『ビジュアル的にはナンだけどテレビ向き』と評判も上々。なでしこのＤＦリーダーとして知名度もバツグンに高い。岩清水の実弟がＪ２鳥取の広報を務め、今月１日に湘南―鳥取戦を岩清水がスタンドで観戦していた。ほとんどの観客が岩清水に気付いてサインをせがんだり、写メを撮ったりと大騒ぎだった」（マスコミ関係者）
　湘南、鳥取のＪリーガーよりも、格段に有名で注目度も高い岩清水。日テレは「引退後の広告塔込みでプロ契約した」ということか――。

（日刊ゲンダイ2011年10月7日掲載）