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ヤクルト「野戦病院」にしたのはダレだ

日刊ゲンダイ 10月10日(月)10時0分配信

<「遠征時の外出禁止も」>

 ヤクルトがついに、約4カ月守り続けた首位から陥落した。
 6日の阪神戦に1―7で敗れ、中日が広島を下したため、5月30日以来となる2位転落。小川監督は「切り替えてやるしかない。後先考えず一試合一試合をやるだけ」と前を向いたが、「野戦病院」と化した今のヤクルトではまともに戦いようがない。
 優勝争いの大事な時期に、選手が肺炎に集団感染。石川、久古に続いて40歳で01年の優勝を唯一経験している宮本も離脱した。故障者も多すぎる。投手では由規、村中、バーネット、野手は川本、川島慶が故障で離脱。正捕手の相川も右手親指を骨折しながら強行出場を続けている状態。現場トップの大木常務も「集団感染が起こり、故障者が続出しているのは大きな問題。今後の状況次第で、遠征時は宿舎から外出禁止にする可能性もある」と厳しい表情だった。
 選手はみな、10年ぶりの優勝に向けて満身創痍(そうい)で戦っている。激戦が続けば故障はつきものとはいえ、優勝を争う中日に目立った故障者はいない。ヤクルトは09年のCS第1ステージの最中にもインフルエンザが蔓延し、そのまま敗退した。小林チーフトレーナーは肺炎患者の続出にも「感染力は低い。隔離しなければというものではない」と言っていたが、肺炎にかかった3人は、今季の快進撃を支えてきただけに、チームに与えたダメージは大きい。今後、肺炎にかかる選手が出てくる可能性もゼロではない。コンディショニング部門の危機管理能力が問われても仕方ないだろう。
「テレビ局の取材攻勢もどうかと思う」と、さるチーム関係者が言う。
「石川も久古も、名古屋遠征時(9月22〜25日)のテレビ収録の後に肺炎を発症したようだ。しかも久古は、名古屋から帰京した翌日もあるテレビ局が密着取材を行っている。これが肺炎の直接的な原因ではないにしても、大事な時期にしかも疲労困憊(こんぱい)している選手に対する配慮はあってしかるべき。10年ぶりの優勝がかかっているから取り上げたいのはわかるが、これまであまりヤクルトに見向きもしなかったテレビ局がここぞとばかりに出てくるのは……」
 残り12試合、先発の村中が7日からの広島戦で復帰する予定。ただ、今の一軍の選手に代わる実力のある選手は二軍にはいないといっていい。今季、チーム一丸で戦ってきたヤクルトがこのまま引き下がるとも思えないが、悲願の優勝に暗雲が立ち込めてきた。

▽京セラドーム大阪=2万4583人(阪神13勝9敗)
ヤクルト001 000 000―1
阪神110 001 04X―7
勝:メッセンジャー12勝5敗 敗:増渕7勝10敗
本:ブラゼル13、14号

▽ナゴヤドーム=2万4288人(中日12勝9敗2分)
広島000 000 003―3
中日022 001 00X―5
勝:ネルソン9勝14敗 S:岩瀬1敗36S 敗:福井7勝9敗

【セ・リーグ成績表(6日現在)】
◆チーム/試合/勝数/敗数/引分/勝率/差/残り
(1)中日/131/69/54/8/.561/―/13
(2)ヤクルト/132/65/52/15/.556/1.0/12
(3)巨人/134/64/60/10/.516/4.5/10
(4)阪神/127/59/62/6/.488/3.5/17
(5)広島/131/54/69/8/.439/6.0/13
(6)横浜/131/43/78/10/.355/10.0/13

(日刊ゲンダイ2011年10月7日掲載)

最終更新:10月10日(月)10時0分

日刊ゲンダイ

 

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