ソウルを訪問している民主党の前原政策調査会長は、韓国のキム・ソンファン外交通商相と会談し、7年前から中断している日韓両国のEPA=経済連携協定の締結交渉を速やかに再開し、協定を締結したいと伝え、協力を求めました。
この中で、前原政策調査会長は、日韓両国のEPAの締結交渉について、「アジアの発展を導いてきた両国が、世界の繁栄に取り組むべきだ」と述べ、速やかに交渉を再開し、協定を締結したいという考えを伝えました。これに対し、キム・ソンファン外交通商相は、「今後、議論を進めていきたい」と応じました。また、前原氏は、「戦略的に日韓関係を築く観点から、年内にイ・ミョンバク大統領の日本訪問を実現したい」と述べ、協力を要請しました。会談の後、前原氏は、記者会見し、「北朝鮮の現状の分析について、かなり詳しく話を聞いた。日本、韓国、アメリカの3か国の強固な協調ができていることを確認し合った」と述べ、会談の意義を強調しました。前原氏が就任後、外国を訪問したのは、先月のアメリカに続いて2か国目で、会談では、今月19日に予定される野田総理大臣とイ・ミョンバク大統領との日韓首脳会談を念頭に、民主党政権が、韓国を重視していることを強調しました。前原氏としては、沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設問題や、TPP=環太平洋パートナーシップ協定への対応など、外務大臣を務めた経験をふまえ、野田総理大臣を外交面でも全面的に支援し、政権運営を安定させたいという思いがあります。ただ、TPPを巡って、民主党内にもさまざまな意見があるなど、これらの外交課題の決着は簡単なことではありません。前原氏自身、党の政策をとりまとめる責任者として、今後、その手腕が問われることになります。