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色々コメントしたいこともあるけど、資料をひっくり返す気力がないので、時間をかければもうちょっとはちゃんとした文章になるところをそれ未満のメモのコメントになってしまうけど、忘れないうちに思うところを書いておきたい。
・C-POPに「限定」すれば、確かに日本ではあまり売れていないが、チャイニーズ芸能マーケットは日本では韓流以前から小さいというほどではない。といっても中華圏芸能の流行と日本での流行には大きなずれがあるが、たとえば映画を見ると、「ヒット作」だけに限れば、日本でので歴代興行収入ランキングを作ってみれば、韓国映画より中華圏の映画の方が上位を占めていることがはっきりわかるはず。
・中華圏芸能マーケットとして、香港系から見れば大陸マーケットは人口を基準にすれば実際のところ小さなものではあるので、韓国と中華圏を比べて5000万対13億と比較するのは比率が間違ってはいるが、韓国が海外戦略をする以前から韓国にも(日本にも)華僑にも多少なりともマーケットを持っていて(それほど大きくはなかったが)、このとろのほんの十数年における韓国勢の海外進出で差が縮まったとみるべきではあろうがそれ以前からの市場規模は中華圏の方が明らかに大きかったために、新たな海外進出の動機の違いの理由の一つとしては見てよいと考える方が自然では(どの程度なのか、というのはもっと資料をもとにした議論が必要)。まぁ、細かいことを言えば、韓国勢の中華圏進出は「韓流」以前にまったくなかったわけではないが、まぁ市場的には誤差範囲でよいのでは。ここは数字でちゃんと分析をして比較をしたいところだが手に余るので厳密さに欠ける所は批判されても仕方がない。
・中華圏の他マーケットとの動きを見ると、ハリウッドなどとの動きが見えてくるはずで、ことさら「日本」をターゲットにする必然性は低い。日本や韓国もハリウッド進出傾向はあるが、商業的には中華勢の方が明らかに成功している(失敗例もあるのでみんなみんなとは言えないのだが)。数年後のことはわからないが、現時点で日本や韓国にジョン・ウーやアン・リーがいるか?(アン・リーは経歴の特殊性があるのでここで挙げると卑怯と言われるかもしれないが、日本や韓国にもアメリカ等滞在経験の長い映画人はいる)
・韓国芸能情報をウォッチしていると、欧米進出ネタもあるにはあるのだが、本気で狙って成功している例はまだそれほどには多くなく(まったくないとは言わない)、この十数年のうち、前半は特に、どちらかといえば話題作りか、在米同胞向けがメインだったという方が適切ではなかろうかと。一方で、かつて日本の「おしん」が東アジア以外のアジアでも影響力をもったような影響を韓国芸能が一定の影響を残してきた近年の動きがどうなるかは不透明。
・中華圏とひとくくりにしたが、大陸、香港、台湾のマーケット間には相互に明らかに壁があって同じではないのだが、この20年の間に相互の人と資本の動きは活発になっている。今後の予測は最新の動向を私がチェックしてないのでなんとも言えないが。。。
・前世紀で韓国で中華芸能といえばカンフー映画なんかはある意味日本より流行っているぐらいだったりしたのだが「作家性の強い」監督って中国から韓国、とか韓国から中国、というアプローチは少なくとも1990年代にはあまりみられなかったのだが(どちらもお互いの映画よりは日本の作家に興味があったと言っていい)最近はそうでもない。というか日本、その他各国を含めたクロスオーバーな芸能界の動きは進んでいる。ためにするコラボもあったりするのでちょっと変なものもあるが、少なくとも、日本対どこの国、の情報をつなぎあわせて先読みするのは全体を見誤る元。これは日本特有の現象でもなければ芸能ネタ限定の話でもないが、他国と他国の間で何が起きているかを着目するのは重要な視点である。まぁ、言うほど自分が情報を揃えているわけでもないのでここで現時点でこれ以上具体的・正確に何か書けるわけでもないのだが、ここは強調したい。
…というか、この辺本当は気力があれば東アジア芸能マーケット中心に各国の中と各国間で何が起きているのか、マニアを集めて今こそ情報を発信してみたいとか感じたりもしているのだが(メディアはブログでも同人誌でもなんでもいい。売れるなら商業誌でも出せればいいけど…あまりに売れそうにない。ついでに愚痴をこぼせば、この人なら重要なPOV、データ分析を書ける、と思うような人は依頼してたら原稿料だけでもばかにならず多分回収できそうにない)
ちょっととりとめがなくて申し訳ないけれど、このまま流してしまうのももったいないので課題・話題提供レベルで恐縮だけれども、できればもっとあとに続けて深めておきたい…。
#松永さんがその気で、うちにある本でお読みになってない関連書籍を調査されたいなら段ボールで送りつけてお貸ししたいぐらいの気分はあるのだけれども…まーその手の本はもうみんな読んでるかなー…。
良い映画が多いので、まだ完売じゃないので、どこの国のどの作品とは言いません、目指せ完売。だって作品の水準高いんだもん。
私が見てきたのは…ほんとはもっと見たかったけど。。。
『2lines 私、妊娠しました』
チミン監督。ジェンダー的立場から名字抜きの「チミン」を名乗っていらっしゃる監督。色々進路を考えて居た所の「妊娠」(検査薬に出た二本の線=原題かつ英題の「二本線」)。パートナーとの関係含め出産後等ドキュメンタリーです。まぁ大ヒットするような映画じゃあないでしょうけど、人間が描けていて、ソウル国際女性映画祭での受賞したのは作品の水準故とはっきり言える良い作品です。
トーク「韓国の[本当の]映画事情」 イム・スルレ監督、チミン監督、木全純治(映画祭ディレクター)
ええと、途中で抜けちゃったんですけど、開始時、募集40人の所スタッフ込みで50人以上の大盛況でした。平日の16:30からなのに大盛況にびっくり(無料だからというのを考えても…)。といってもまぁ、確かに生の声で語ってもらえる貴重さはあるんで、観客全体の満足度が低かったとはあまり思わないんですけど、テーマがそれだけはっきりしているなら、資料を作って配ってほしいものです。ゲストのプロフィールは公式パンフ買えって話もあるんですけど、韓国における洋画・邦画シェアみたいなのはプロジェクター資料もなんもなく口頭で説明するのはちょっと。客層を育てることを考えるなら、近年の推移グラフとか資料にして配ってほしいものです。ただで配ったりするのが難だというなら、参考資料売ってもいいけど。ダメなんですか?
『牛と一緒に7泊8日』
傑作。こういう映画どんどん撮られてほしい。見られてほしい。まー、日本公開はされるだろうけど大ヒット性じゃないので、丁寧にミニシアターで広がって欲しい。ちゃんと見る人たちが見れば、キネ旬のランク、ベスト10に入るかまではわからないけど、いい順位行きますよ。行かなかったら投票権を持つ人にあまり見てもらえなかったと思っていいでしょう。
牛、自然、役者、すべてよし。台詞も、映画祭ゆえの雰囲気の後押しもあったと思われますが、随所に笑いあり。この「笑い」が、センスがいいんですよ。映画というメディアの魅力全開。両親の牛を売ろうとした子どもの物語。牛と人間、親と子、本人と元友人、人間関係。そこに夢なのか若干ファンタジックな(単なるリアリズムではつじつまの合わない、しかし地に足のついた)展開が混じっていく。仏教「尋牛図(十牛図とも。映画祭パンフは尋牛図と)」についてはぐぐってもらうとして、そういったテーマも交えながら…イム・スルレこういう映画もまた撮れる。彼女の才能・技術はどこまで奥が深いのか。映画祭パンフの文章が若干不親切なんだけど、牛は韓国で役者牛の数頭のうちの1頭でその筋では有名な「モッポ」という名前だそうで。
原作が読んでみたいなー。原書を読む気力は多分当分ないので、日本一般劇場公開に合わせて出てくれたら万歳…かな。
間違いなく、日本語で読めるアン・ソンギについて最も詳しい資料であって、また韓国映画の歴史の重要な部分も追いかけられる。なかなか読み応えもある。ドキュメント的書籍読み物としては筆の力に若干今一な点はあるけどまぁそんなに気にするところでもないだろう。
大量の当時の資料も引用しつつで、評伝系として一定の信頼性がある。といっても、直接は국민배우 안성기님 팬카페 | Daum 카페に掲載されている資料を基にしているようだ。自力で図書館周り等をしていたりしたのか、あまりそういう様子はうかがえない。といっても、読んでいる限り不自然な点といったものは特別にないので資料として一定の信頼性はあると言っていいとは思う。
しかしながら、評伝系を真面目に調査執筆していると、「書いてあることが資料毎に食い違う」というのはよくある話で、本書にはそれが表に出て来ていない。敢えて削ったのか何なのかわからないが、でもまぁ書籍に載せなかった削った「執筆者としては入れたかった話」の一つや二つはあるだろうからそういうのはブログか何かで是非読んで見たいとして、一番気になったのは「過去について調査した事実関係等について、執筆調査時点で関係者に取材して確認しているのか」といった点、あまりそういう形跡を感じないのだが。現役の芸能人の話なので、未公開私信や日記を入手して裏付けとかいうわけにはいかないかもしれないが、高望みする読者の視点ではより正確さ・深さを求める上で気になる点は山ほどある。
…とか書いたからといって別に本書を悪い本だという理由はなくって、「絶対買い」。それにつきる。
自己紹介とニュース収集方法についてはこのプロフィールを参照のこと。。。