日本ロレアルは27日、東日本大震災の被災地の宮城、岩手両県で、巡回バスでヘアカットなどを行う「移動式美容室」を展開すると発表した。仮設住宅への入居や店舗の被災などで、近くに美容室がなく不便になった被災者の元に出向くだけでなく、職場を失った美容師に仕事の場を提供する。
復興支援プロジェクト「美容師のちから」として、10月17日に宮城県気仙沼市でスタートし、各地を回る。日産自動車から寄贈されたバスは、シャンプー台1台とセット台2台を完備している。年約1万5000人の利用を見込む。
ヘアカットの料金は2000円(12歳以下と65歳以上は無料)で、失業中の人に無料クーポンを配ることも検討している。両県の美容業生活衛生同業組合を通じて、地元の美容師が仕事に就く。
日本ロレアルのベルトラン・フォンテーヌ副社長は「新しい人生の第一歩を進めるにあたり、髪をカットして気持ちを新たにすることほど勇気づけられることはない」と話している。(9月27日、後藤徹二撮影)