北朝鮮では、10日、朝鮮労働党の創立記念日を迎え、指導部としては、祝賀ムードを盛り上げて、国を挙げての後継体制作りに弾みをつけたい考えとみられます。
北朝鮮のピョンヤンでは、朝鮮労働党の創立から10日で66年となるのを前に、党の旗とともに「偉大な党」などのスローガンが街なかに掲げられました。また、国営の朝鮮中央通信は、9日、故キム・イルソン主席の銅像に花をささげる市民や、祝賀公演の準備に追われる芸術団の様子などを伝えています。北朝鮮では、キム・ジョンイル総書記の三男で後継者のキム・ジョンウン氏を巡って、「ジョンウン大将を迎えたことは人民の幸福だ」という意味の「大将福」と刻まれた石碑が新たに建てられるなど、偶像化が進められています。また、ピョンヤンでは、今、高層アパートなどの建設工事が急ピッチで進められており、ジョンウン氏の業績として位置づけられるのではないかとみられています。北朝鮮指導部としては、10日の記念日でも祝賀ムードを盛り上げて、国を挙げての後継体制作りに弾みをつけたい考えとみられます。一方で北朝鮮は、韓国の民間団体が、10日に合わせて、南北の軍事境界線の近くで北朝鮮の体制を批判するビラをまく計画を進めていると指摘し、軍事的な対応も辞さないと警告するなど、後継体制作りに水を差しかねない動きに対して神経をとがらせていることもうかがわせています。