朝鮮総連=在日本朝鮮人総連合会が、この夏に開いた会議で、北朝鮮のキム・ジョンウン氏をたたえて、キム・ジョンイル総書記からの世襲を支持したことが、映像で確認され、総連内でもジョンウン氏の偶像化が進められていることを示しています。
これは、7月に都内で開かれた朝鮮総連中央委員会の会議を撮影した映像を、NHKが入手したものです。映像では、ホ・ジョンマン責任副議長が、「敬愛するキム・ジョンイル将軍と尊敬するキム・ジョンウン大将を高く仰ぎ、光栄な歴史の新しい時代を迎えた」と述べ、ジョンウン氏の名前をあげて、世襲を支持するよう呼びかけた様子が確認できます。また、ほかの参加者からも「キム・ジョンウン大将を支持することで、同胞の幸福や、後の世代の未来が花開く」など、次々とジョンウン氏をたたえる発言が出ました。総連の内部事情に詳しい関係者によりますと、総連では、これまで公にジョンウン氏の名前をあげてたたえることはなかったということで、この会議をきっかけに、北朝鮮本国に続いて、総連内でもジョンウン氏の偶像化が進められているということです。また、北朝鮮本国の指導部も、先月、総連に提示した思想教育の資料で、この会議での決定を徹底的に遂行するよう求めています。その一方、朝鮮総連の機関紙「朝鮮新報」がこの会議を伝えた記事は、出席者がジョンウン氏の名前をあげたことに触れておらず、ジョンウン氏の偶像化は慎重に進められていることがうかがえます。