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知事公約

2011年10月6日

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撤回し理解を求めては

 太陽光発電をめぐる黒岩祐治知事の選挙公約が、ここにきて焦点になっている。満を持して9月に提示した「かながわスマートエネルギー構想」だが、どう数字を重ね合わせても公約には届かない。「オール与党」体制の県議会からも疑問視する声がくすぶる。

 公約との兼ね合いについて知事は「(選挙中は)メッセージ性のために正確さより分かりやすさをと考えた」と説明するが、一票を投じた県民にはなかなか通じまい。誤解を招く「分かりやすさ」だったのなら、自らの口で潔く撤回した方がいいのではないか。

 「4年間で200万戸分の太陽光パネル設置」は唯一の数値公約だ。パネルの実物を手に熱弁を振るう姿を覚えている人もいるだろう。ところが新構想の目標は、尺度が自然エネルギーの割合に置き換わった。内容から換算しても4年間で59万戸分にとどまる。これを「バージョンアップ」と表現するのは、さすがに無理があろう。

 とりわけ「自己負担なしでパネルを設置する」との発言は、家計に直結する内容だけに訴求力は大きかったはずだ。選挙を支えた自民党からも「公約修正は否めない」「裏切られたと思っている人もいる」との声が出ている。

 メッセージ性も確かに大切だ。国難を前に、大胆な発想を望む空気もあろう。行政経験も政治経験もない立場からの出馬だったこともあり、「民間人の立場で考えた公約だった」との弁明を酌む寛容な声も、まだある。今のうちにきちんと撤回し、あらためて県民の理解を得るよう努めてはどうか。

 知事は政界の権力闘争を嫌い、オール与党体制を前提に出馬した。足の引っ張り合いで不毛な議論を重ねる国政を嘆くこともある。だが現状は、数字の呪縛が招く不毛な局面に自ら陥っているように映る。建設的な議論が入り口で足踏みするようでは、それこそ知事の本意ではあるまい。

 新構想で掲げた目標も、達成できれば「神奈川からのエネルギー革命」と誇れる高い設定だ。それなのに公約の数字が独り歩きを続けている分だけ相対的に「下方修正」の印象を強くしている点が、むしろもったいない。

 間もなく就任半年。評価は早計だろうが、最終的に問われるのはメッセージ性ではなく「県民のために何をやったか」という実績である。新たに定めた目標に向け、着実に実績を重ねる姿勢も求められているのではないか。 

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