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不明朗支出:ゲオ合弁会社の販売管理費、売り上げの14倍

 東証・名証1部上場のDVDレンタル最大手「ゲオ」(愛知県)とジャスダック上場のIT関連会社「インデックス」(東京都)の合弁で08年に約70億円の負債を抱えて清算した映像配信会社「エンタウェイブ」(同)の収支に、数億円とされる装置を14億円で借りるなど多額の不明朗支出が含まれることが分かった。05~06年度に売上総額の14倍もの計約38億円の販売管理費を支出するなど過大支出も判明。債務の大半を清算で帳消しにしながら、多額の不明朗支出があった可能性が浮上し、違法な点がなかったかなどゲオも本格的な調査を始めた。

 エ社の当初名は「ゲオ・ビービー」で、05年にゲオとインデックスが同額出資で設立した。映画などをインターネット回線で配信したが、会員が増えず3年で清算。投資家に多額の損失を被らせた。

 同社関係者らによると、エ社業務はインデックスの連結子会社「ネオ・インデックス」の関係者が仕切り、エ社が集めた総額約70億円のうち少なくとも約30億円がネオ社に流れたという。うち映像配信用センターサーバーシステムは、ネオ社が他社に売ったものをエ社が14億円で借りるリース契約(5年間)を結んだが、ネオ社の既存ソフトを用い開発費が不要で、14億円は不当だという。別の関係者が業者に依頼した鑑定では「3億円強が適正」とされた。

 会員用の映像受信装置も、ネオ社が他社に販売した計13万5200台を借りたほか、2万4800台をネオ社から購入し、計十数億円がネオ社に流れた。

 しかし、「会員」の大半が即座に返品して膨大な在庫となり、「電話勧誘を受けたが、申し込んでいない」などの苦情が殺到したという。それでも、勧誘業者に多額の謝礼を支払っていた。

 07年3月期までの2年間で、売上総額約2億6900万円に対し販売費・一般管理費37億9800万円を支出。内訳は業務委託費13.9億円▽広告宣伝費10.2億円▽顧客獲得謝礼4.6億円▽販売促進費2.6億円---などで、純損失は計85億円に達した。

 ゲオは先月、外部指摘を受けて本格調査を開始。インデックスの広報担当はサーバーについて「当事者間の交渉で価格その他の条件が決定されたと理解しており、価格等に問題があるとは認識していなかった」と説明。経営実態については「当時、どのような条件で取引先と営業していたか詳細は把握していない」としている。

毎日新聞 2011年10月7日 15時00分

 
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