きょうのコラム「時鐘」 2011年10月9日

 小沢先生に同情申し上げる。さぞつらかったろう。身がよじれるほどの苦しみだったろう。夜も眠れなかったに違いない

裁判初日の夜に救急車を呼んで入院した。尿管結石だという。同じ体験をした者のひとりとして、その激痛は十分に理解できる。中年以上の小太り男性に多いという。心労などというものではない。死ぬかと思うくらい痛い。途中で気が遠くなる

どれくらい痛いか。医師は「出産時の苦しさに等しい」と言う。男にそれと比較しろというのは無理な話だが「母や妻も、そんな苦しみに耐えたのか」と感心し、それならガマンしなくてはと思ったものだ。医師の狙いはそれかもしれないのだが

尿管結石とは、1ミリかそこらの石でも、体の管を下る時にギリッギリッと管を傷つける症状だ。部分的な痛みのはずだが、激痛は腰から腹から全身に広がり、血尿を出し、吐き気までもよおす。一個といえども体内に異物が存在する怖さであり「産みの苦しみ」とはまた違う

かの先生を「政界の異物」と言うつもりはないが、早く体の外に出てしまえば、どんなに楽になるかと思わぬでもない。