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きょうのコラム「時鐘」 2011年10月8日
上から落ちてくるものは避けようがなく、しばしば大惨事を招く。今回の事故で、けが人のなかったのは奇跡といってもいい
空の守りの自衛隊機が、民家や高速道路付近に大きな部品を上からまき散らすなどとんでもないこと。燃料タンクなどの部品落下事故は今回だけではない。42年前の金沢市街地への戦闘機墜落事故を思いだした年配者も少なくなかっただろう けが人が出なかったからこんなことも言えるのだが、一川防衛相の「地元」に自衛隊機の部品が落下するとは何という皮肉だ。先日、人工衛星が地球に落下したことがあった。人間にぶつかる確率は3200分の1だとか、自分に当たるのは21兆分の1だと騒がれた 防衛相の地元に戦闘機の部品が落ちる事故の確率は、人工衛星と同様に天文学的な数字かもしれない。だが、基地周辺の住宅に落ちる確率は相当現実的な数字になることは過去の例からもいえよう。基地を抱えているとは、そういう危険と背中合わせなのだ だが、それは住民自身が言っても許されること。自衛隊には「100パーセント無事故」を誓ってもらわねば、おちおち住めない。 |