アフガニスタンでアメリカ軍の軍事作戦が始まってから10年となったのに合わせて、アメリカのオバマ大統領は、「国際テロ組織・アルカイダの打倒は近づいている」とする声明を発表し、作戦の成果を強調しました。
2001年の同時多発テロ事件を受けて、アメリカ軍がアフガニスタンで軍事作戦をはじめてから7日で10年となったのに合わせて、アメリカのオバマ大統領は声明を発表しました。この中でオバマ大統領は、ことし5月にアルカイダの指導者で、同時多発テロ事件の首謀者とされるビンラディン容疑者を殺害したことなどに触れ、「アルカイダとそのネットワークの打倒にこれまでで最も近づいている」として、10年間の作戦の成果を強調しました。そのうえで、「いま行われている戦争を責任ある形で終わらせる」として、イラクとアフガニスタンでの戦争を早期に終結させる決意を改めて示しました。アメリカ国内では、景気の低迷や高い失業率を受けて、巨額の戦費を景気対策に振り向けるよう求める声が高まっています。その一方で、アフガニスタンでは、タリバンによる自爆テロや襲撃事件が相次いでいるほか、先月にはタリバンとの和平に向けた対話を模索していたラバニ元大統領が殺害されるなど、治安の悪化が続いていて、アメリカ軍のアフガニスタンからの撤退が順調に進むのかどうかは不透明な情勢です。