政府は7日午前、防衛関連企業を狙ったサイバー攻撃が相次いだことを受け、関係閣僚や有識者による情報セキュリティー政策会議(議長・藤村修官房長官)を官邸で開き、官民が連携して対応策を検討する分科会の設置を決めた。企業、国民に対し、ウイルスメールなどを通じた被害拡大を防ぐため早期の情報共有や、最新の対策を講じるよう呼び掛けるメッセージも発表した。
会議には、山岡賢次国家公安委員長や一川保夫防衛相らが出席。藤村氏は冒頭「被害によっては国の安全や国民生活に深刻な事態をもたらす可能性がある。早期に被害情報を共有することが重要だ」と官民連携強化の必要性を強調した。
メッセージでは「不正なプログラム感染により意図せずに加害者になってしまうこともある」と指摘。企業にサイバー攻撃に強いシステムの導入を求めたほか、個人が使用するパソコンやスマートフォン(多機能携帯電話)のセキュリティー関連ソフトを最新の状態に維持するよう要請した。
防衛関連企業へのサイバー攻撃をめぐっては三菱重工業やIHI、川崎重工業などが対象になったことが判明。民間企業からの被害報告の遅れや、官民一体となった対策強化の必要性が指摘されていた。
政策会議はサイバーテロへの対応策を検討するため05年に設置された。
毎日新聞 2011年10月7日 11時40分(最終更新 10月7日 12時49分)