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――翌朝。 「おはようございます、旦那様、奥様」 「ご主人さま〜、奥様〜!おはようございます!」 「あ〜、おはよう」 「おはよう、冴子さん、梨央ちゃん」 俺と幸が、ダイニングルームに入ると、朝食の準備をしていた冴子たちの元気のいい声が聞こえる。 そう、いつも通りの朝の風景……ただ、いつもと違うのは……。 「あ、大門さん、奥様……おはようございます……」 所在なげに座っていた銀髪の娘が、俺たちを見ると立ち上がって挨拶してくる。 「ああ、おはよう。よく眠れましたか、大神さん?」 「あ、綾でいいです、大門さん。傭兵部隊では、ファーストネームで呼び合うのが普通でしたし、うちの部隊は、オオガという名字が父と私、ふたりいたので、ずっと、アヤって呼ばれてましたから、その方がしっくりきます」 「あら、じゃあ、私のことも、幸でいいわよ。綾ちゃんはお客さんですから」 「え…わ、わかりました、おくさ…あ、幸さん」 まあ、ひとり客人が増えただけで、何気ない朝食の……いや……。 「…………」 俺は、薫がひとり浮かない顔をしているのに気付いた。 まあ、薫はもともと賑やかな性格ではないし、殊に、俺の秘書になってからは、常に冷静に振る舞おうとしているから、みんなでいるときも静かにしていることが多い。 が、それにしても、どこか様子が変だ。 まあ、薫とは仕事中も一緒だから、後で聞いてみるとするか……。 「まあ、綾さんも、あの部屋は自由に使っていいから。それに、誰もいないといっても、やっぱり生まれたところには戻ってみたいだろう、ここから遠いのかい?」 「いえ……この町から、電車で30分ほどです」 「そうか……ま、うちのことは気にしなくていいから、自由に行動してくれ。あ、でも、昨日みたいな事もあるかもしれないから気をつけてな」 「はい、昨日は油断してましたけど、ああいうことがあるとわかっていれば……これもありますし、後れはとりません」 と、なにやら腰から引き抜き、シュッ、と伸ばす。 たしか……それは昨日も……。 「えーと、それは?」 「特殊警棒です。日本は不便ですね。銃器もナイフも持ち歩けないですから、こんなものしか身を守る術が……」 いや、そんなモノ持ち歩かれても困るし、てか、その特殊警棒でも充分危険ですよ。 昨日のあれを見ると、後れをとらなかったらどうなるのか、想像するのがちょっと怖い気もする。 「そうか、じゃあ、そろそろ俺は仕事に行くから」 「……あ、私は車を回してきます」 薫が慌てて出ていく……やっぱり変だ……。 「なんか、気になっていることでもあるのか、薫?」 ――タカトオ・コーポレーション本社、特別渉外局。 ここは俺だけの部署。 だから、通常、この部屋にいるのは、俺と秘書の薫だけだ。 「いえ、なにもありません、局長」 そう答えて、目を伏せる薫。 ……どう見てもなんかあっただろうが。 「俺の目をごまかせると思ってるのか?朝から明らかに様子がおかしかったぞ」 「あ、いや…その……」 「今、ここにいるのはおまえと俺だけだ。それとも、そんなに俺が頼りにならないのか?」 「い、いや、そんなことは……」 「じゃ、言ってみろ」 「実は……こんなものが……」 薫が差し出したのは、自分の携帯……。 そこには、びっしりと添付ファイル付きのメールが……。 最初に届いた時間は、月曜の午前3時……つまり、今朝、というか昨日の深夜もいいとこだ。 それから、今までの間に11件……。 「中身は見たのか?」 「いいえ……」 そりゃそうだ、こんなの、怪しすぎて、普通開けないよな。 それに、このファイル……かすかにだが、魔力の気配を感じる……。 ディー・フォンが持つのよりも、もっと希薄だが、たしかに同類の気配……。 明らかに、このファイルは、やばい代物だ。 「差出人はわかってるのか?」 「はい……営業部の石田次長です」 なんてこった……うちの会社の人間かよ。 「きゃ!」 薫の持つ携帯が、ブルルル……、と震える。 「いや!また……」 しつこい奴だな……だが、これをなんとかしないと薫が……。 たぶん、面と向かって問いただしても無駄だろうな。 こんな魔力を帯びたメールを送って来るって事は、ディー・フォンか、それに似た、何らかの形で人を操るタイプの道具を持ってるって事だ。 そんな奴に、真っ正面からかかっていっても……。 なんとか、相手を油断させる手はないか……。 「きょ、局長…私、どうしたら……」 不安げな目で俺を見つめる薫。 気は進まないが、この手しかないか……。 「薫、おまえは必ず俺が守る。だから、全て俺に任せてくれないか?」 薫の両肩をつかみ、正面から顔を見据えて切り出す。 「は、はい!」 薫も、真剣な顔で頷く。 「じゃあ、少しの間辛抱してくれ」 そう言うと、俺は、右手から、赤い糸を零距離で送り込み、一気に薫の魂を縛る。 「ああっ!」 薫は、目を見開いて短く叫ぶ、その瞳孔は、ブルブルと小刻みに震えている。 同時に、俺の中に薫の思考が送り込まれてくる。 (な、なに?か、体が……うご…かない?ど…どうし…て?) そういえば、薫にこれを使うのは初めてだよな……。 いや、今はそんなことを考えている時じゃない。 俺は、意識を操作するためではなく、俺の言葉として薫に思念を送る。 {薫、俺の声が聞こえるか?} (あ…きょ…局長…これは…いったい……?) {昨日言っただろう、俺は気功術が使えると。これは、その応用だ} (そ、そんな……ほん…とうに?) {ああ、そこでだ、薫。これから、そのメールの添付ファイルを開けてくれ} (え……?で、でも…それは……) {言ったはずだ。俺は必ずおまえを守ると。そのためにこうしているんだ。だから、俺を信用してくれ} (は、はい、局長……) そして、携帯を持つ薫の手がゆっくりと動き、メールの添付ファイルを開けると……。 (あ!あああ……) 薫の意識が、短い悲鳴を上げて深く沈んでいくのがわかる。 さっきまでの瞳孔の震えが止まる。 しかし、その瞳からは完全に光が失われていて……。 ――ザ、ザザザ……。 薫に繋いだ糸から、なにか、ノイズのような音が……。 そして、 (望月薫だな?) ノイズ混じりに男の声が、薫と繋がった糸から伝わってくる。 (……はい) さっきまでとは違い、声に抑揚のない薫の返事。 (散々手間取らせやがって……まあいい、今どこにいる?) (特別…渉外局……です) (なに?じゃあ、そこに局長はいるのか?) まずい! {大門局長は、今は席を外している} 俺は、とっさに薫に思念を送る。 (いえ…今…局長はいません) ふう、なんとかこっちの操作は通じるみたいだな。 (そうか、じゃあ、今から俺の言う場所へ来い) よし、向こうにも気付かれていないな。 ……しかし、こうやって、ふたりの操作を同時に受けてたんじゃ、薫の心が保たないぞ。 早くケリをつけないと……すまん、薫、もう少し辛抱してくれ。 (さあ、薫、東階段の方へ来るんだ) (……はい) 東階段か……たしかに、あそこは普段から人目がない。 特に、特別渉外局は本社ビルの12階にあるから、みんなエレベーターを使って、好きこのんで階段を使う奴はいない。 (じゃあ、8階の階段出口まで来るんだ) (……はい) 8階の階段出口ね……。 俺は、薫に糸を繋げたまま、少し後からついていく。 10階……9階……今だ! 俺は、おそらく、8階で待ち構えている奴に、薫の姿が見えたであろうところで、最大限の力で薫の魂を縛り上げる。 {自分は、どうしようもなく眠くなる。このまま、深く深く眠ってしまう} この糸は、意識の操作がメインで、直接命令はできないが、これなら大丈夫だろう。 ――ドサッ。 薫は、9階と8階の間の踊り場に、言葉もなく倒れ込む。 「な!おい!どうしたんだ!いったい!」 大声を上げて、男が駆け上がってくる気配がする。 俺は、薫に繋いでいた糸を外し、薫に駆け寄る男の姿が現れた瞬間……。 「な!おま……」 右手を男に向かって伸ばし、零距離で魂を縛る。 {自分は何も考えられない。急に眠くなって、深く眠ってしまう} 「う……」 薫の横に倒れた男の手から、カラン、と音を立てて転げ落ちたもの……。 やっぱり!ディー・フォンだ! 俺は、男に糸を繋げたまま、そのディー・フォンを拾い上げる。 ……案の定、ディー・フォンに薫の魂の情報が取り込まれている。 だが、まだ登録はされていない。 おおかた、人目のないこの場所で、登録をするつもりだったんだろう。 俺は直ちに、ディー・フォンを操作して、薫の情報を消去する。 登録してない状態だったから、これで何の問題もないはずだ。 それにしても、この男……よくも薫を……。 男を見下ろす俺の心に、男に対するどす黒い怒りと憎しみがわき上がってくる。 その時……。 ――ピキッ……。 俺の頭……いや、心で、何かにひびが入るような音がした…ような気がした。 「ぐあああっ!」 同時に凄まじい頭痛に襲われて、俺は頭を抱えて膝をつく。 「が!あがッ!がはあッ!!」 すると、倒れていた男が吠え、白目をむいてビクビクと体を跳ねさせる。 な、これは!? 赤い糸を通じて、凄まじい量の魔力が男に流れ込んでいる。 まずい!この男、壊れてしまうぞ! 俺は一瞬慌てる、が、すぐに頭痛は治まり、それと同時に魔力も収まる。 ふう……大丈夫そうだな。 ……それにしても、今のは……いったい、あの頭痛は?それに……あの量、そしてあの濃度……本当に俺の魔力か? 俺は、しばし呆然として突っ立ていたが、 (あああ!がは!うわあああああぁ!) 糸を通して伝わって来た男の悲鳴に、ふと我に返る。 男の心は、何か得体の知れないモノに襲われた恐怖に覆われている。 ……そうだ!とにかく、後始末をしないと。 {だんだん心が落ち着いて楽になってくる} (あああ……あぁ……) 俺は、思念を送って男の心を落ち着けさせる。 男が静まるのを待って、男の心に思念を送り、工作を開始する。 {自分が、このディー・フォンを手に入れたのはいつだったっけな?} (ああ……そうだ……たしか……1年半前……) 持ちすぎだろ!おまえ!普通それまでに死んじまうぞ! ……いや、今はそんなことはどうでもいい。 {考えてみたら、ディー・フォンを持ってから、ろくな事はなかった。これは悪魔の道具で、自分を不幸にするんじゃないのか?こんなモノを持ち続けていたら、とんでもないことになるぞ。今こんな怖い目にあっているのも、ディー・フォンのせいなんだ} 俺は、幸にこの糸を使ったときの応用で、男の記憶をすり替えて恐怖心を煽り、ディー・フォンへの嫌悪感を高めさせる。 (あ…ああ……そうだ……きっとそうに違いない……) 男の体が、ガタガタと震え出す。 {そうだ、こんなモノのことはもう考えたくない。そうだ、全て忘れてしまおう。ディー・フォンを使ってしたことも、ディー・フォン自体のことも。完全に忘れてしまうんだ} (忘れる……忘れるんだ……ディー・フォンのことなんか……完全に……忘れてしまう……俺は何をしたっけ……何を……忘れる……) これで大丈夫か?いちおう確認しておこうか。 {ディー・フォンってなんだったかな?} (ディー・フォン……?聞いたことも……ない……俺は、そんなもの…知らない……) うん、これでよしと。 あとひとつ……。 {自分が、今日怖い目にあったのは望月薫のせいだ。あの女は自分を不幸にする女だ} (あ…あ…望月薫……あああっ!あの女は悪魔だ!あいつに関わると俺は終わりだ!) ……誰もそこまで言ってないが。 よっぽど、さっき魔力が流れたときのショックがきつかったのか? 悪魔は俺の方なんだがな……。 {だから、もう二度と望月薫には関わらないことにしよう} (ああ!あの悪魔にはもう二度と近付かないぞ!顔を見るのも嫌だ!) 悪魔扱いされてるが、すまん、薫、これもおまえのためだ。 なんか、仕事に支障が出そうだが……まあ、薫はこれからもずっと俺の秘書だし、営業部の次長が、そうそう関わることもないか。 {自分はまた眠くなる。そして、目が覚めたら、自分が今日したことを忘れている。自分がなぜこんなところで眠っていたかも覚えていない} (ああ……あ……) 男の意識がなくなっていくのを確認すると、俺は立ち上がる。 「さてと……」 もうひとつ、面倒な作業が残っている。 俺は、男のディー・フォンを操作し、登録してある女を見る。 「8人もかよ!」 こいつ、どんだけ絶倫なんだよ! とりあえず、このままにしておくと何かと問題があるので、登録を全部解除していく。 ……1年半もこいつを持っていれば、登録された女の識域下に影響は残るだろうが、それはどうしようもない。 作業を終えると、俺はそのディー・フォンをポケットにねじ込み、薫を起こす。 「おい、薫!起きろ!」 「ん……あ…局長……」 「薫、終わったぞ、もう大丈夫だ」 「終わったって、何がですか?」 「なんだ、覚えてないのか?とにかく、部屋に戻るぞ」 俺は、まだ少し、ボーッとしている薫を促して、特別渉外局に戻る。 ――特別渉外局。 「本当に覚えてないのか?」 「え…と、昨日の夜から……変なメールが来てて……出社して……局長が気功術とかいうの使って……あ!あああ!いやあああ!」 首をひねって、昨晩からのことを思い出していた薫が悲鳴を上げる。 その目は見開かれ、体はガクガク震えている。 「お!おい!薫!?」 「い!いやあっ!わ、私!別な人のモノになりかけてた!いや……なってた……。わ、私は!局長と幸のモノなのに……そ、そんなの……あ…あああ……」 「おい!落ち着け!薫!」 「いやあああっ!こ、怖い!私っ!局長以外の人のモノになるのが怖いのっ!」 「だから、もう大丈夫だって!」 「えぐっ!ひっく!いやあっ!局長!わたし!わたしっ!」 涙を流して俺にしがみついてくる薫。 ……そういや、こいつ、泣き虫だったよな。 いつの間にか、クールな秘書姿が板に付いていたから、そんなことも忘れちまってた……。 「すまん、薫……。でも、おまえを守るには、あれしかなかったんだ」 俺に抱きついて泣きじゃくる薫の背中に腕を回し、固く抱きしめる。 「うっ!うくっ!きょ、局長……」 「怖い思いをさせてごめんな……。でも、言っただろ、俺は必ずおまえを守るって」 「……うん……ううう……えっく!」 「だから、もう大丈夫だ、薫。おまえはこれからも、ずっと俺のモノだ」 俺のモノ…か。 幸もそうだが、こいつはそういう風には堕としちゃいないんだがな……。 最初から下僕として堕ちたのは梨央くらいなもんだ。 その下僕が、一番俺の言うことを聞かないのにも納得がいかないものがあるが。 「うう……局長ぉ……ん……んん……」 俺が、唇を寄せると、涙を流しながら、薫も口を寄せて吸い付いてくる。 「んん…んんん…ん……ぷふぁ……」 「この唇も……そして…この胸も……」 「ん!あん!」 俺が、薫の控えめな膨らみをつかむと、薫は短く喘ぐ。 「そして……もちろんここも、全部俺のモノだ」 「あ!ああん!きゃああん!」 スカートの中に手を突っ込み、ショーツの上からアソコをなぞる。 嬌声を上げる薫のアソコは、ショーツの上からでもそれとわかるくらい濡れている。 「だから、もう泣くな、薫」 「う……はい、局長……」 「うん、いい子だ、薫」 俺は、涙に濡れた薫の頬に軽くキスすると、薫の服を脱がせていく。 「あ…局長……」 「つらい目に遭わせたからな、今日は特に予定もないし、こんなんでおまえの気が晴れるかどうかはわからんが」 俺も服を脱ぎ、薫を抱きしめる。 「局長……あ…ん…んん……」 もう一度、俺は薫と舌を絡め合う。 「んむ…んん……きゃ!きゃああんッ!」 俺が手を伸ばして、薫の裂け目に指をつっこみ、ポチッと指にあたるものを弾くと、薫の体が、ビクンッと跳ねる。 「あふうんッ!あっ!ああん!」 薫のアソコは、溢れるくらいにトロトロに濡れている。 「……いくぞ、薫」 「は…はい、局長!……あッ!はああああぁッ!」 俺のモノを薫の中に突き挿すと、薫の細身の体が仰け反る。 「んっ!はあっ!ああっ!んんんっ!」 「どうだ、薫!おまえが俺のモノだって、実感できるか!?」 「は!はいい!」 ……たとえ、無条件に俺を好きになるようにしていても、なんせ、男ひとりに女4人だ。 理性が多少でも残っていたら、とてもじゃないがやっていられない共同生活。 それを、自分は俺のモノなんだと思うことで、こいつらなりに、心の中の整理を付けてきたんだろう。 おそらく、薫だけじゃなく、幸も、そして冴子も……。 だったら、何の疑いもなしに、俺のモノだと信じさせてやるのが、こいつらにとっても幸せなのかもしれないな。 「そうだ!おまえは俺のモノだ!薫!」 「あ!あああ!きょ!きょくちょおぉッ!」 俺を抱きしめる薫の腕に、ギュッと力がこもる。 そう、それが、こいつらの主人としての俺の務めなんだろう。 「何があっても、おまえは俺のモノだ!」 「はいいいっ!はあああぁっ!」 俺の動きに合わせて、薫の腰の動きも激しくなってくる。 「どうだ!?これでもまだ不安かっ!?」 「い!いいえっ!んんんっ!はあんっ!あああああっ!」 泣きはらした薫の目が、再び潤む。 「おまえはっ!ずっと!ずっと!俺のモノだ!」 そう叫んで、俺は薫の中に精を放つ。 「ああっ!う!うれしいっ!きょくちょおおぉっ!んんん!んはあああああああッ!!!」 大きく体を反らせた薫の顔から、ポトリ、と歓喜の涙がこぼれ落ちる。 「あああ……きょ、局長……」 ビクンビクンと体を震わせた後、薫の体から力が抜ける。 「なあ、薫、ふたりだけの時や、うちの連中といるときは、別に局長って呼ばなくてもいいんだぞ」 脱いだ服を拾い上げ、身支度を整えながら、俺は薫に言う。 「でも、うちのみんなの中で、局長、って呼べるのは、私だけの特権なんですよ」 同じく、服を整えながら、はにかむように薫は微笑む。 「そんなものか?」 「そうですよ。……あの……局長……」 「ん?なんだ?」 「……ありがとうございます」 後ろ手に手を組んでそう言うと、恥ずかしげに俯く薫。 「気にするな、俺はおまえらのご主人様だからな」 俺は、もう一度薫を、グッ、と抱き寄せた。
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