元暴力団組員であることを理由に生活保護申請を却下され、市を相手取った処分取り消し訴訟で勝訴した宮崎市の男性(60)が7日、市に控訴断念を求める要望書を提出した。
男性は「人工透析治療を受けており、一刻も早く治療に専念して安定的な生活を送りたい」と話した。
3日の宮崎地裁判決によると、男性は十数年間にわたって暴力団に所属。03年に脱退したが病気で働くことができず、07年に生活保護を申請した。しかし市は県警が組員と認定しているとして却下した。
判決について、戸敷正市長はこの日の定例会見で「国に報告して適切な対応を取りたい」と述べた。判決が「警察情報にのみ依拠してはならない」と指摘したことについては「捜査権のない状況で調査するのは難しい」と話した。
毎日新聞 2011年10月8日 地方版