釣りとなったら、今すぐでも行きたい彼

私のための竿を買ったら、もうそれがつく前に
行く気まんまん

仕方ないので、仕事も用事もきりあげて
竿が、宅配で届いて、1時間後には
海釣り公園に出発

初めてきたよ、こんな近くに海があるんだね

以前は東京湾でも泳げたって
おじいちゃんは言ってたしね

昔は週3くらいに、ここに通っていた
彼は、昔とのちがいにびっくりしてた

平日なら、人は15人くらいと思って
いたらしいけど、とんでもなく人がいる

しかも、すごい仕掛けの人ばかり

どうみたって、磯釣りレベルじゃない
船に乗るお金の倹約で、磯釣りに
来てるって感じ

そこへ、うすいシャツで行く彼に
何度も寒くないの?絶対無理だからと
言ったのに、平気だよって

海をなめてる

普段は船釣りする人だから
磯をなめてる

私は、サーフィンしてたから
浜辺の寒さは秋なら知ってるから
長袖のトレーナーにダウンまで用意

何が寒いって風だもの

すると、日がおちないうちに
人のダウンを着る彼

釣るには釣れたけど、小さいので
リリースしたりして、食べられる魚は
1時間たってもなし

以前は大物を釣って、取材にまで
応じてた彼なのに、がっくりみたい

でも、日が落ちると、ぐっと寒くなって
ダウンも返してもらえなくて
たまらなくなって、私だけ退散

すると、釣るだけが趣味だから
食べないからというおにいさんが
アイナメとか、カサゴとかくれるというの

やったあ

彼には言わずにクーラーボックスは
小ぶりだけど10匹以上の魚

帰宅して、ぼうずだと思ってる彼に
みせて、さばいてもらった

調理は私だけど

魚のさばきは、調理師も持ってる
彼の仕事

元妻が何でも切って、だめにした
彼の刺身包丁も数日前に、研いで
もらって、すごくきれるようになってたし

お刺身を綺麗に作ってくれたの

煮魚と、唐揚げと、刺身

すごいね、ラッキーだったよね
こんなにお魚もらえてさ

魚をおいしそうに食べる私を
みつめて、好きだよと言ってくれる

そういう愛情があれば
まだ大丈夫なんだけどね

そいえば、この前の旅行の時
エッチしながら、愛してるよって
言ってくれたなーー

彼は、愛してるとか
好きとか、あまり言わない人なんだよね

でも、最近は言ってくれるから
なんだかうれしい

昨日も、彼の胸の中で
亡くなった両親のこと思いだして
泣いたら

ずっと、抱き締めてくれて
うれしかった

この気持ちがふたりに
ある限り、たとえ多少の
喧嘩があってもどうにか
なるかもね

彼の休みはシフトがあって
平日休みが多いから
フルタイムで仕事もってると
まず、一緒に休みとかはとれない

お金があれば、彼はひとりで
できる釣り舟に乗ってしまうけど
そうでなけば、出かけることもない

今は、私が彼に合わせているので
休みはいつも、一緒にいられる
それが、うっとしいとなれば別だけど

今は、朝から晩まで一緒にいて
何か話をしている

彼が笑って
元妻と10年暮らして会話した
時間より、私と2年、付き合って
きた会話の方が多いかもと

言ってたけど
彼はこんなに、ずっと会話して
きたわけじゃないんだね

これって、まるで新婚だと
いうことなんだね

休みの時はl彼がうちに泊まるか
私が、行って、夜中になって
彼が寝る時間まで、一緒にいる

ベタベタだね

でも、こういう恋ができるのも
限りのあることだろうし

のめりこむ恋に出会えるのも
いつもって、訳じゃないだろうし

昨日は、この先の旅行のことも
話したりしたんだ

前回の海外旅行は彼には
元妻がいたから、それをまいて
アリバイ工作を友達に頼んでと
大変だったけど

もう、シングルになったから
問題は彼の休みと、私の都合だけ

場所はもう決まっているの

どうしても、どうしても行きたくて
なんとかしようとしているの

彼に、あの海をみせてあげたい

たとえ、永遠の恋じゃなくても

あの夕日をふたりでみて
永遠の愛を誓ってみたいし

って、喧嘩ばかりのふたりだけどね

いつ、どんなところで
だめになるのかさえ
わからないけれど

夢や希望はもっていたいしね

いろんなことがこの先あること
くらい、わかっているしね

当然、彼とはいつか別れる
こともね
でも、今はこの恋が大切で
彼しかいなくて
彼がすべてで

そんな日々でいいと思ってる

本当は現実に目をむけたく
ないだけなんだけどね

逃げてることも沢山あるんだけどね

それでも、今はふたりでいたい
そう思っているんだ