東日本大震災で、中国から来た実習生たちを津波から救った宮城県の水産加工会社の役員の家族に対し、中国大使館の公使が直接、感謝のことばを伝えました。
宮城県女川町では、水産加工会社の役員、佐藤充さんが、工場で働いていた20人の中国人実習生たちを避難させたあと津波にさらわれて亡くなり、中国国内では感動的だとして大きく伝えられました。7日、都内で行われた関係者の会合で、中国大使館の呂克倹公使は「命がけで救ってくれたことにすべての中国人が感動しました。研修生に手を差し伸べてくれた人に感謝したい」と述べて、佐藤さんの兄で加工会社の社長を務める佐藤仁さんに直接、感謝のことばを伝えました。これに対し佐藤社長は、大震災のあと中国の人たちから見舞いの手紙を受け取るなどしたことに謝意を示しました。国際研修協力機構によりますと、東日本大震災の被災地では、中国人実習生2人が死亡し、少なくとも6000人の実習生らが帰国しました。企業側からは、復興に向けて実習生を受け入れたいという要望があがっていますが、まだ戻っていない実習生らが多いのが現状で、国際研修協力機構では支援を強化したいとしています。