3月11日に東北の被災地域で生まれた赤ちゃんの写真を集めた映像作品「ハッピーバースデイ3・11」を、日本ユニセフ協会が作った。東京・渋谷のスクランブル交差点街頭ビジョンなど全国15カ所で上映されている。
制作に携わった「電通ソーシャル・デザイン・エンジン」コピーライターの並河進さん(38)は「この日、多くの尊い命が奪われた一方、新たな命も誕生した。赤ちゃんの成長を復興への歩みと重ね合わせ、未来への希望を感じてもらいたい」と話している。
登場する赤ちゃんは11人。産婦人科医の協力や被災者同士の口コミなどで、並河さんらが震災当日に生まれた赤ちゃんを探し出して、親に撮影を申し出た。全員が快諾したといい、写真家の小林紀晴さんが撮影したものを30~171秒の4種類の映像に編集した。
福島県二本松市の川口陽生(はるき)君は午後3時13分に誕生。揺れた時、陣痛の最中だった母由紀子さん(32)は慌てて分娩(ぶんべん)台から屋外に徒歩で避難し、布団を敷いた車内で出産した。産湯もタオルもなかった。両親は「たくさんの方が亡くなったので、生きるという字を入れたかった。無事に生まれてきてくれて本当にありがとう」と話している。
映像は動画投稿サイト「YouTube」で配信中。14~27日には、富士フイルムフォトサロンミニギャラリー(東京都港区赤坂9の7の3)で写真展も開く。【鈴木敦子】
毎日新聞 2011年10月7日 20時12分(最終更新 10月8日 2時23分)