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秦野

最新号:2011年10月 8日号

上地区乗合自動車

住民の手で"出発"

平成26年9月まで実証運行
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2011年10月 8日号

停留所は住民の手でリニューアルされた(9月29日撮影)
停留所は住民の手でリニューアルされた(9月29日撮影)

 上地区で今月3日、(株)湘南神奈交バスの路線廃止に伴い、乗合自動車の実証運行が始まった。2日にはこれまで準備を進めてきた上地区公共交通協議会が運行開始式を実施。同会会長の飯塚邦夫さんは「公共交通は地域の元気の源だから」と車両を見つめる。

 古谷義幸市長らを招いた開始式で新たなスタートを切った上地区の新交通。飯塚会長は「上地区の”足”を無くしてはならないと、今日まで検討を重ねてようやく(運行開始式に)たどり着いた」と挨拶した。

 住民の約30%を65歳以上が占める同地区。昨年2月、地域交通の要であるバス路線廃止意向の知らせに、「これは大変だと思った」と飯塚会長は振り返る。

 「地域交通手段を無くしてはいけない。廃止ならば、何か変わるものをと考えなければ」と同年5月から同地区住民が集まり、今後の交通のあり方について検討を始めた。住民にアンケート調査をした結果、約95%がバス路線廃止の場合、代わる交通手段の確保を希望。これを受け10回以上の協議を重ね、乗合自動車を新たな交通とし、実証運行の日を迎えた。

20年、30年と続く交通手段に

 持続可能な交通手段とするためには経費削減が不可欠と、住民の手で整備が始まった。これは市内で初めての試み。同社が使用していた停留所を譲り受け、各地区で手分けして塗装し直した。ルート増設に伴う不足分は鉄パイプなどを利用して製作する地域もあった。

 飯塚会長は「自分たちで作った達成感があった。コスト削減だけでなく、乗合自動車への愛着にも繋がった」と分析する。

 乗合自動車を利用した菖蒲在住の秋山幸作さんは「座席や通路が広く、乗り心地が良い。乗り合わせた人同士も和気あいあいとしていた。子どもの頃から使っていたバスの廃止は残念だが、乗合自動車を皆で利用し、生活に定着した交通手段になれば」と期待を寄せる。飯塚会長は「今後、改善を重ねて地元の足としてはもちろん、他の地域の方にも利用してもらえれば。10年、20年、30年と続く交通手段にしたい」と前を見据えた。

 乗合自動車の実証運行期間は平成26年9月30日までを予定。運行事業者は(株)愛鶴、10人乗りワゴン車両で平日38便を運行(土・日、祝日、年末年始は運休)。乗車距離で運賃は200円から300円、未就学児は2人まで無料。愛称は「行け行けぼくらのかみちゃん号」。1便あたり4・7人以上の利用を目標としている。
 

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