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小林よしのり氏「もう国家論やめたくなった。わしだってもっといろんな表現をしたいよ」

BLOGOS編集部
小林よしのり氏「もう国家論やめたくなった。わしだってもっといろんな表現をしたいよ」

少年たちに影響与えた責任も感じる


―今回の「国防論」では、少年工科学校の生徒さんや、幹部候補生の若い自衛官との交流も描かれていますね。その中で、小林先生の作品を読んだことがきっかけで自衛隊を志したという方も出てきます。それを告白されて、作中の小林先生が複雑な心境になるというか、戸惑うような描写がありますね。

小林:そうですね。

―メディアの中でも漫画はわかりやすい、とっつきやすいので、若者に対して与える影響ももしかしたら小さくはないと思います。それについては、どういうお考えをお持ちですか。

たとえば「東大一直線」を昔描いていた頃に、少年が金属バットで父親を殴り殺してしまった事件がありました。東大一直線のファンだったということが新聞に書かれて、ちょっと悪い影響を与える人のように思われてしまったこともありました。

でも、表現するときに、人に何の影響もないものを表現しても仕方がないと思う。もちろん影響はあるだろうし、それによってどういう影響を及ぼすかというのはもう個々ばらばらになってくるわけで。

わしのものを読んで自衛隊に入ったという人がいるのは、嬉しいのは嬉しい。嬉しいんだけれども、万が一有事の時があったら、その人はそれで死ぬかも知れない、ということを考えると、責任も感じるな、ということになる。だから、もし憲法を改正して、専守防衛の立場を捨てた場合、米軍のようにアフガンに自衛隊が入っていくというようなことがあっても構わないのか、というのを本人たちに聞いておきたかった、というのがあるよね。

すると、意外にも、「自分は行く」というから、ああそうかと。そこまでの覚悟があるわけか、ということが確認できたことは良かったよね。それは、作品に影響受けたことで、自分の肥大化した自意識を担保するために”国家”というものを持ちだす若者とは違うからね。

自衛官は少年工科学校や防衛大学などの教育機関の中で、プライドなんかズタズタにされただろうし。とにかくプライドを崩す、ということが教育の前提としてあるわけじゃないですか。でも、ネット空間の中で、匿名で良いように言っている人間は、プライドが崩されないですからね。そこの差はありますよね。現場を持っている人間は、日々社会の中でプライドが崩れますから。そうなると、自分の等身大の実力とか、器量を客観的に見なければ仕方がない。
だから偉そうに言っていても、自分がどれだけのものなのかというのがたちまち跳ね返ってくるのが社会ですから。

やっぱり、わしの作品を読んで、そういう人たちが生まれる、そういう人達になってくれる、ということが一番うれしいこと。そういう人たちはもう社会の中に入っていて、自分の現場で闘ってるし、働いてるし、国家を形成する一人になっているし、そういう人はあまり匿名でなんか偉そうなことを言ったりとかしません。日曜日だって、とくにデモなんかに行く暇もないですし、家庭を大切にしなきゃならんし、子どもを日曜日くらいは遊んであげないといけないし。そういうもんだし。

そういうところに、戦争論を読んで、育ったひとたちがいっぱいいると思いますよ。

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