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国家戦略会議:骨格固まる 首相を議長に識者などで構成

 政府の経済財政運営の司令塔となる「国家戦略会議」(仮称)の骨格が固まった。野田佳彦首相を議長に、関係閣僚と経済界・労働界などの識者を含め計10人強で構成する。小泉純一郎政権で司令塔役を担った経済財政諮問会議の法的枠組みは活用せず、戦略会議は当面は法的裏付けを持たない首相直属の組織として運営する。月内に初会合を開き、当面は環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉への参加問題や成長戦略、エネルギー政策を中心に議論を進める。

 古川元久国家戦略・経済財政担当相が仕切り役となり、藤村修官房長官、安住淳財務相ら主要閣僚が加わる。民間からは経団連や経済同友会、連合などの参加を想定している。与党関係者の参加は見送る方向だ。

 エネルギー、財政、通商政策などテーマごとに分科会を設置し、関係省庁の政務三役らを中心に方向性を議論する。菅内閣でまとめた新成長戦略を刷新し、東日本大震災後の経済動向を反映させた「日本再生戦略」として年内に策定する。

 戦略会議の発足に伴い、新成長戦略実現会議、雇用戦略対話など政府内に乱立していた政策系の会議を吸収して一本化する。「エネルギー・環境会議」も傘下に置き、エネルギー政策の見直しや発電コストの検証を主導する。TPPは11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議での大枠合意が想定されており、時間がないため、他のテーマに先駆けて議論する。

 ただ、野田内閣では民主党政策調査会の権限が強まったこともあり、法的位置付けを持たない戦略会議が政策決定にどこまで関与できるかは見通せない。「戦略会議の権限を明確にすべきだ」との声もあるが、法整備に時間がかかるため、国家戦略室の局への格上げなども踏まえて対応を検討する。内閣府設置法の上では諮問会議が残っているが、「小泉政権のイメージが強すぎる」として活用しない。【赤間清広】

毎日新聞 2011年10月7日 19時43分(最終更新 10月7日 21時14分)

 

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