2011.10.6

安全保障に役立つ自衛隊とは

 日本の安全保障についての最近の話題は、やはり普天間基地の移設問題、そして次期主力戦闘機選定の問題だろうか。普天間基地問題では、日米同盟の強化を早々と誓った野田政権としては、辺野古を前提として沖縄県民への説得を進めるとしか返答のしようがないようだ。それが実際に可能かどうかは別な問題になる。限りなき引き伸ばしで先方にあきらめていただくという、日本的「お察し下さい」が通用するといいのだが。
 次期戦闘機の選定は、この時期に急がなくてもよさそうに思うのだが、もう充分に先送りされているのだそうだ。候補機はアメリカのロッキードF35とボーイングFA18、それにユーロファイターも名乗りをあげている。間もなく日米交渉で、アメリカ機を選定するよう強い圧力がかかることだろう。
 先日の東北取材の際に自衛隊員と少し話したこともあり、私はこんなふうに思っている。地勢的に守るに適している日本の自衛力は、海と空の防衛を主力とすればいいのではないか。海を渡って遠征軍を送ってくる敵国の作戦を断念させるに足りればよい。その意味では近隣国に脅威を感じさせる戦力は過剰になる。
 経済的相互依存の深まる国際情勢の下では、古典的な国家間の戦争は、ますます起こりにくくなる。日本の陸上自衛隊は、これからは災害救助を本来任務とし、敵国軍との戦闘に備える従来の任務と半々にするぐらいでいいのではないか。緊急工事に特化した「重機師団」、鉄道技術を備えた「鉄道連隊」、救急医療の「医療・衛生部隊」などが常設されて訓練を積んでいたら、災害時にどれほど心強く、役立つことだろう。
 災害救助出動は国内に限ることはない。緊急輸送能力と連動させて速やかに展開させれば、被災国から感謝される有効な国際貢献活動ができるだろう。武器を持たず、災害救助と復興に活躍する日本自衛隊の姿は、平和外交に徹する日本の姿勢を、強く世界に印象づけるに違いない。それは何よりも日本の安全保障に役立つのではないだろうか。

Posted by 志村 建世 at 17:31:02 | コメント (0) | トラックバック (1) | リンク (0) | このエントリーをはてなブックマークに追加 このエントリーをlivedoorクリップに追加 このエントリーをYahoo!ブックマークに追加 このエントリーについてTwitterでつぶやく

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Title: 10/06: アラブの春 アメリカの春? 日本の春は?切実さと覚悟はどうか
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