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エリア限定テレビ局「茶屋町TV」が10月8日開局、IPDCの実証実験も展開へ

2011/10/05
田中 正晴=日経ニューメディア

 毎日放送(MBS)が開局準備を進めていたミニテレビ局「茶屋町TV」が、10月8日の正午に開局する。

 開局からの3日間は、ワイド番組を生放送で提供し、「茶屋町の今」と「茶屋町の情報」を送信する。MBSが実施する「ちゃやまちハッピーアワー祭〜はじめまし展2011秋〜」や、NU茶屋町のイベントなどの模様も生中継する。また、スタジオもMBSから飛び出して、地元のビルのテラスから放送する「地域密着テレビ」とする。スタジオでは、地元の有名人たちが生放送、あるいはVTRで続々登場するという。

 茶屋町TVでは、新たなサービスの実証実験も進める。具体的には、番組を放送する電波に番組とは全く別のデータを一緒に載せる「IPDC」(IP Data Cast)の仕組みを利用して、デジタルサイネージで直接受信できるコンテンツを番組と同時に送出する。表示するコンテンツは当面、1コンテンツ15〜30秒の静止画だが、「番組とデジタルコンテンツの同時送出というサービスは、これまでに例のない全国初のチャレンジ」という。

 今回の実験では、「IPDC」に関してKDDI、ネクストウエーブの技術協力を得て行う。液晶ディスプレイ型デジタルサイネージの設置については、梅田ロフト、MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店、NU茶屋町から場所の提供を受ける。また、ちゃやまちアプローズに後日設置する電子ペーパー型デジタルサイネージは、凸版印刷の協力を得る。

 デジタルサイネージは全部で7台の設置を予定する。10月8日には5台を、残る2台も11月に整備して、番組とデジタルコンテンツの同時送出実験を行う予定。またその頃には、デジタルサイネージの近くに行けば、特典付きの地域情報をスマートフォンやタブレット端末にダウンロードして利用できるというサービスの開始も予定する。

 茶屋町TVは、総務省の「ホワイトスペース特区」制度を利用する。ホワイトスペースとは地上デジタル放送用電波の中で、その地域で使われておらず、かつ地上デジタル放送に影響を与えず利用できる周波数帯域を意味する。MBSはホワイトスペース特区に申請し、2011年4月に特区として認定されていた。MBSの本社がある茶屋町一帯の特区で、およそ2年の間に様々な新しい放送サービスの実証実験に取り組んでいく予定である。

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