『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』
東急不動産消費者契約法違反訴訟を描くノンフィクション
東急不動産(販売代理・東急リバブル)から不利益事実を隠して問題物件をだまし売りされた一人の消費者(=原告)が消費者契約法に基づき売買契約を取り消し、裁判(東急不動産消費者契約法違反訴訟、東京地裁平成18年8月30日判決、平成17年(ワ)3018号)で売買代金を取り戻した闘いの記録。裁判における当事者と裁判官の緊迫するやり取りを丹念に再現。個人が不誠実な大企業を相手に闘うドラマがある!
裁判と並行して明らかになった耐震強度偽装事件の余波や欠陥施工、管理会社・東急コミュニティーの杜撰な管理にも言及し、深刻化を増すマンション問題の現実を明らかにする。東急不動産のために働いた地上げ屋(近隣対策屋)が暗躍し、住環境を破壊する高層マンション建築紛争と共通するマンション建設の闇に触れる。
hayariki.net新着記事
ゼロゼロ物件の追い出し屋は犯罪者
ゼロゼロ物件の追い出し屋のしていることは犯罪者と同じである。ゼロゼロ物件の闇に迫った記事がマイニュースジャパンに掲載された(佐々木奎一「「ピタットハウス」で契約したら…家賃滞納で家財犬ネコすべて撤去され鍵も交換 「追い出し屋」の実態」2011年9月28日)。ゼロゼロ物件の賃借人が物件を追い出され、家財は焼却処分、ペットの犬猫も奪われたという。賃借人は家賃督促の電話が怖くて出られなかったという。この記事に対して「恐ろしい」との声が寄せられている。貧困ビジネスとしてマスメディアでも大きく報道されたゼロゼロ物件であるが、現在も未解決の問題である。住まいは人権との意識を確立し、住まいの貧困問題を解決することが日本社会の大きな課題である。
二子玉川ライズ問題シンポジウム
二子玉川の環境を守る会と世田谷自治問題研究所は2011年11月19日13時30分から16時半まで、東京都世田谷区奥沢の奥沢区民センター集会室(目黒線奥沢駅)でシンポジウム「二子玉川再開発その検証と私たちのまちづくり」を開催します。二子玉川東地区再開発及び二子玉川東第二地区再開発(街の名称:二子玉川ライズ)問題を、公共性、まちの在り方、行財政の三側面から解析します。御都合のつく方は是非お越しください。日時:2011年11月19日13時30分から16時半まで
場所:奥沢区民センター集会室(東京都世田谷区奥沢3-47-8)
目黒線奥沢駅(大井町線・大岡山乗り換え)徒歩2分
参加資料代:500円
パネラー:岩見良太郎(埼玉大学)、玉野和志(首都大学東京)、中村重美(世田谷自治問題研究所)
反貧困ネットワークあいちが貧困撲滅のための国際デー集会
「反貧困ネットワークあいち」は2011年10月17日に名古屋市熱田区の司法書士会館で、貧困撲滅のための国際デー集会「ワーキングプアをなくそう〜雇用から考える〜」を開催する。10月17日は「貧困撲滅のための国際デー」である。集会の内容は最低賃金生活の体験談や風間直樹氏、和田肇・反貧困ネットワークあいち共同代表の講演などである。リーマンショック以降の「派遣切り」や「非正規切り」で、仕事と住まいがセットになった「住み込み派遣」で働いていた多くの労働者達が仕事と住まいを同時に奪われ、ゼロゼロ物件詐欺などの貧困ビジネスの搾取対象にもなった。貧困は人権の侵害であり、住まいは人権である。
「品川宣言」2011年9月18日
私たちは、福島第一原子力発電所の事故後、国民生活への重大な影響を憂慮し、事故の終息を見守ってきました。また、その工程にあって、わが国有数の一流企業である東京電力株式会社や政府に、国土や国民の命を第一義的に守ってほしいと願ってきました。しかしながら私たちの期待は見事に裏切られ今日に至っています。2011年9月18日、全国の市民・農家・水産加工・食品団体員など有志が東京都品川区南品川5-3-20、品川第二地域センンター会議室に集り、今回の事故とこれまでの経過について討議しました。
そして、私たちは、今回の事故並びにその経過が、「放射能放散公害事件」であることを再確認しました。そこには、明らかな加害者と、放射能にさられている被害者が存在しています。
しかし、事件発生より半年が経過してもなおその起因者である東京電力に、その責任を果たそうとする姿勢は見られません。また、政府は一体だれのためにあるのか──。
ここに集った私たちは、大きな憤怒を持って次の結論に達したことを宣言します。
1.避難対象地区について
まず、2011年3月11日発生の福島第一原子力発電所事件から半年を経過した今なお、放射線に汚染された環境下に人々が放置されていることに対して断固として抗議する。
私たちは、「放射線管理区域」(1.3ミリシーベルト/3ヶ月)レベルの環境下にさらされているすべての住民を、直ちに安全な地区に避難させることを、放射能を放散した東京電力と政府に要求する。
なお、ここでは避難させる義務は上記「放射線管理区域」レベルとするが、市民の側の、避難の権利の基準は、「一般公衆の線量限度」(ICRP・国際放射線防護委員会)基準の1ミリシーベルト/年以上であり、この環境下からの自主避難の権利は認められなければならない
2.棄民的措置による健康被害の責任について
ゆえに、1ミリシーベルト/年以上の環境下に無作為に人々を留め置くことは、人身に危害を加える傷害行為、ないしは殺人予備行為にも他ならない。
上記環境下にたとえ一時期であったとしても置かれた福島県民をはじめとする人々に今後発生する健康被害については、東京電力並びに政府の責任であることを宣言する。
3.避難に関する費用について
避難に関する一切の費用は東京電力が負担すること、すでに自主避難している場合にも請求権は認められること、その上で、避難先は避難すべき当事者の希望に添うこと、以上の権利を担保する。
また、従来からの地域コミュニティーの避難先での維持など、具体的な避難誘導等については、国・地方公共団体が参加する公共事業体によって、避難者の立場にたって進められるべきであり、かりにも私企業を参入させ、利益優先・経費出し惜しみを許してはならない。
4.「生業」(なりわい)を破壊された住民被害について
特に一次産業者は、その生業が農地や漁場と不可分であり、農業者にあっては農地や山林、水利権等、漁業者にあっては漁港や漁場、漁業権等の確保が可能であることを前提に、北海道、中・西日本などの汚染されていない土地を避難移住先に選定する必要がある。
その上で各避難者の生活再建に関する一切の費用も東京電力により補償されなければならない。
5.自営産業者に対する賠償について
一大食料生産地帯を放射能で汚染した東京電力の責任は重大である。
避難する自営業者の一切の避難移転費用と、生産休止期間と生産が再開したのちも事業が福島第一原子力発電所事件以前の所得水準に戻るまでの期間の損害を賠償しなければならない。
それは、例えば、酪農・畜産業及び水産養殖業においては、生産、出荷が可能になるまでの家畜の飼育経費等、魚介類や海藻の養殖経費等、また、その間の生産者の生活費用等の一切の費用のことをいう。
6.すべての賠償・補償について
東京電力が負うべき移転費用、生活再建費用、損害賠償費等必要な支払いについては、速やかに行わなければならない。支払いについては、定める支払義務発生日を越えた日数に応じて延滞遅延金年10%(電気料金遅延金と同率)を上乗せされなければならないのは当然のことである。
7.高汚染地区の農地回復に従事しようとする者について
放射線リスクが適度に低いと考えられる年齢の農業者が、高汚染地区に立ち戻って農地回復を希望する場合、当該の地は相当程度の人口密度の希薄化が考えられ、また、放射線曝露を最小限度にとどめるために、清浄な飲食物の配給とその他の行政・医療サービスの供給は続けられなければならない。
放射性物質除去のための菜種・アカザ・牧草類などを含む生産物は、当面低レベル放射性物質であるから、東京電力によって適正な生産者価格で買い取り補償されなければならない。
東京電力は補償買い取りした生産物を厳重管理し、市場に環流させてはならない。
8.食品暫定基準値について
現行の食品「暫定基準値」はなんら正当な根拠を持たない。私たちは決して容認できるものではない。
暫定基準値は当該汚染地区からの避難が完了するまでの間、飢え死にすることを防ぐための緊急避難的な数値である。当該汚染地区外にまで適用することや、既に半年を経過した今も「暫定」期間とすることには無理がある。いたずらに引き延ばすことは許されない。
また、この緩い暫定基準値こそが、汚染農水産物やその加工食品を生産し、拡散させる原因となっており、直ちに暫定基準値は撤廃されなければならない。
私たちは、すべての国民に、暫定基準値を適用しようとすることが無意味・無効であることを宣言する。
9.外部被ばくと内部被ばくの積算について
私たちが受ける放射線量は体内に摂取される飲料・食品・呼吸吸入されるダストなど、いわゆる内部被ばくと外部被ばく線量の総量と理解されるべきである。
食品などの暫定基準値は年間摂取量を計算して、年1ミリシーベルトから空間放射線量を減じた数値以内に設定されるのは自明のことである。
現行の500ベクレル/kgと200ベクレル/kgの暫定基準では、年間17ミリシーベルト〜22ミリシーベルトに積算されるとの見解があり、撤回されたはずの20ミリシーベルト/年基準に対応するものであり、認められない。
(例えばドイツ放射線防御協会による「日本への提言」では、0.3ミリシーベルト/年を基準に食品を「大人8ベクレル/kg、子ども4ベクレル/kg」としている。)
10. 汚染された農水産物について
少しでも放射能に汚染された農水産物を「放射能汚染農水産物」と呼び、「低レベル放射性廃棄物」のひとつとする。
低レベル放射性廃棄物は、発生原因者東京電力によって回収され再度の環境汚染を防止するため密閉処理・管理されなければならない。その場合、東京電力は、放射能汚染農水産物を適正な生産者価格で買い取り補償しなければならない。
11.他者に汚染を拡大しない義務と責任について
線量の大小にかかわらず放射能汚染農水産物が生じたとき、あるいは放射能汚染農水産物が生じるおそれのあるとき、生産者は自らの判断で生産を中止する「食べ物」生産者としての責任を持つ。
福島第一原子力発電所から放散された放射性物質による汚染被害物のすべて、および、汚染が予測されての生産休止による操業損害は、東京電力が損害賠償しなければならない。
12.販売供給者の義務と責任について
福島第一原子力発電所から放散された放射性物質による汚染農水産物とその加工食品は、販売供給されてはならない。
その線量の大小にかかわらず、低レベル放射性廃棄物は、市民に対する加害物質であり、その供給は、人身に危害を加える傷害行為、ないしは殺人予備行為に他ならない。
13.汚染された農水産物や瓦礫の拡散について
農水産物に限らず、放射能汚染された瓦礫・土壌などの移動は汚染の拡散であり、一切認められない。
すでに福島第一原子力発電所敷地外へ放散された放射性物質及びその付着物は発生原因事業者東京電力の責任で回収されるべきである。
上記瓦礫をはじめ、表土や上下水汚泥、焼却灰・スラッジ・腐葉土・堆肥等は、放射性廃棄物として回収され、発生地である福島第一原子力発電所敷地内に戻され、再度の汚染原因にならないように密閉処理・管理されなければならない。
14. 放射能汚染農水産物の産地偽装や希釈的な拡散について
さらに、市民の正常な判断を妨げる産地ロンダリングは禁止されなければならない。
東日本の産地県の生乳を、地域を越えて運搬し、遠方府県乳業工場で産地県を明かさずに製造販売していることが、名神自動車道滋賀県内瀬田での生乳タンクローリー車横転事故ではからずも発覚した。
また、東北地方太平洋岸漁場で捕獲された水産物を静岡県や三重県などの遠隔県漁港で水揚げする、という例もある。
正当性のない暫定基準値であればこそ、放射能に汚染された食品を家族に食べさせたくない、食べたくないとする市民が、食品危険度の判断をするために、産地は正確に表示されなければならない。
15.汚染数値の公開について
当然、現行「暫定基準値」以下の汚染数値も、1桁ベクレルまですべて公表されなければならない。地方自治体などの公共団体による測定は、ゲルマニウム半導体検出機などを使用し、精緻な検出レベルを保証しなければならない。
また、その検出の必要性が今回の福島第一原発の放射性物質に起因する場合、その検出検査料金は東京電力に請求されるべきであり、市民・生産者・取扱い販売者に負担させてはならない。
以上のことを私たちは真剣に討議し、ここに宣言することにしました。
これらは決して難しいことではなく、子どもや子どもを守りたい大人には、とても明快なことです。
今回の福島原発事故の問題は、本当は意外にシンプルです。
永遠に未熟な技術を振り回し、多くの人々を傷つけ、生命の危険にまで追いやっています。まだそれは目に見える形では現れていないかも知れませんが、やがては誰もが知ることになるでしょう。
原子力に関わる人達が小賢しい理屈で問題を複雑にすり替え、当然にとらなければならない責任を有耶無耶にしようとしているだけなのです。
私たちは、今もっとも危険なところにいる人々に、「早く逃げろ!」と大声で叫びたいのです。
その危険にさらされている人々を一番に助けなければならない者たちが、他人事のように傍観していることが許せないのです。
そして、さらに私たち自身もまた、放射性物質で汚染させた農水産物を生産してしまったり、それを他人様に間違って食べさせてしまったりすることを恐れているのです。
そのような意味で、福島第一原発から放散された放射性物質への重い不安感は、人々すべてに分かちあわれてしまっています。
さて、私たちはこの宣言を踏まえて、「3.11福島原発放射能放散事件」から人々の「いのち」を守る「福島原発事故からいのちと食を守るネットワーク」を結成し、人々の「いのち」と「たべもの」の 安全を守るためのあらゆる提言、運動を行うことを確認しました。
すべての市民の皆様に、私たちの「ネットワーク」への連帯とご賛同をお願いします。
「福島原発事故からいのちと食を守るネットワーク」(準)
以上
「福島原発事故からいのちと食を守るネットワーク」(準)
(釧路市)しっでぃぐりーんネットワーク 川原智道 /(札幌市)市民自治を創る会 代表 山口たか /福島の子どもたちを守る会・北海道事務局 代表 矢内幸子 /松元保昭(パレスチナ連帯・札幌) /食政策センター ビジョン21 安田節子 /(八王子市)生活舎 津田誠一 /(多摩市)泣iチュランド本舗 山本道子 /畑のレストラン"シルフレイ" 野呂喜代子 /(大和市)なないろ畑 片柳義春 /(川崎市)有機ネット神奈川料理研究家 石川昭子/(相模原市)チャンプール 高岡章夫 /(熊野市) 野村正和 /(高槻市)生活者の会 岡川卓資 /(茨木市)潟pプアニューギニア海産 武藤優/(西宮市)こうべ消費者クラブ 絹本雅祥/(東京都)小田奈々 (江東区)林田力 /(横浜市)五十嵐 みつこ (大和市)野口すみ子 /(前橋市)白川昌生 横田英明 /(甲斐市)佐藤袿子 (甲州市)網野隆明 網野奈々 /(安曇野市)立沢有也 /(名古屋市)景山恵司 /(高槻市)岡川大輔 (茨木市)武藤北斗 (泉大津市)信原孝子 /(西宮市)佐竹久仁子 (神戸市)永岡浩一 日野和明 前迫志郎 /(柳井市)原田芳郎 /(福津市)宇野朗子 /(オーストラリア)原 智子
敬称略させていただいております (2011,10,2 23:00)
『螺鈿迷宮』終末期医療がテーマ
本書(海堂尊『螺鈿迷宮』角川書店、2006年)は医療ミステリーである。バチスタ・シリーズの田口公平が主人公ではないが、桜宮市を舞台とする桜宮サーガの一作である。終末期医療をテーマとする。死を操るという医者としての一線を越えた病院の闇に迫る。バチスタシリーズの白鳥圭輔が登場し、医療の常識からは外れるが、彼の理想とする診断方法が実践される点に注目である。(林田力)『碇シンジ育成計画 第12巻』碇ゲンドウの活躍
本書(GAINAX・カラー原作、高橋脩作画『新世紀エヴァンゲリオン 碇シンジ育成計画 第12巻』角川書店、2011年9月22日発売)は社会現象にまでなったアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』のパラレルワールド作品である。オリジナルでは人類の興亡を賭けた使徒との戦いと主人公の孤独という重苦しい背景があった。これに対して、『碇シンジ育成計画』はラブコメ学園物の明るいタッチである。シンジ、レイ、アスカの三角関係に転校生・霧島マナが加わって恋愛ドラマが盛り上がる。
人類を幸福にするためのものという碇ゲンドウらの研究の謎やゼーレの妨害工作などシリアス要素もある。この巻でもゼーレの妨害工作が強まるが、赤木リツコに「大したことはない」と評されるような存在で終わり、平和な明るさが続いていく。ゲンドウが偉そうに命令するだけの人物ではない点が見どころである。(林田力)
『18・29〜妻が突然18才?〜』新鮮な記憶喪失物
『18・29〜妻が突然18才?〜』は18歳以降の記憶を失った女性と、芸能スターの夫との騒動をコミカルに描く韓国ドラマのラブコメである。29歳のユ・ヘチャン(パク・ソニョン)は、イケメンスターの夫のカン・サンヨン(リュ・スヨン)と離婚しようと家を出るが、途中で交通事故に遭い、18歳以降の記憶を喪失する。記憶喪失物はありふれた設定である上、冒頭で事故になる展開は強引である。それでも全ての記憶を失うのではなく、18才までの記憶を残すという設定が新鮮である。記憶がある時期と現時点の人間関係が対照的である点もストーリーを盛り上げる。また、記憶喪失物であるだけでなく、携帯電話を知らないなど未来へのタイムスリップものとしても楽しめる。(林田力)
『天狗の剣』父と子の物語
本書(藤本ひとみ『天狗の剣 幕末京都守護職始末』中央公論新社、2011年)は幕末の会津藩士を主人公とした歴史小説である。「京都守護職始末」との副題があるものの、幕末の政治の動きは描かれない。父と子の物語である。この点で会津藩の忠義や戊辰戦争の悲劇を期待する向きには肩透かしになる。しかし、激動の幕末でも誰もが天下国家を論じていた訳ではない。幕末物にも父子関係に悩む個人の物語があってよい。本書は会津藩の純朴さを描きながらも、決して美化していない。現代日本にも通じる役人の卑劣さも浮き彫りにする。その姿勢は同じ著者が山本八重(後の新島八重)を描いた『幕末銃姫伝 京の風 会津の花』と共通する。
天下国家的な動きとして、本編とは独立した形で越前福井藩主・松平春嶽を登場させる。そこでは誰もが才能を認めながら、能力を発揮しなかった最後の将軍・一橋慶喜の限界を看破させ、新鮮な歴史観を提示する。(林田力)
AKB48前田敦子がブログで見せた弱音に好感
AKB48の前田敦子がオフィシャルブログで弱音を吐いた。結成時からグループを引っ張ってきたAKB48の顔というべき存在が見せた弱音に対し、ファンは好意的な反応を寄せている。前田のブログの22日付の記事「久しぶりに」では「明日のためのフリ入れが、たった今終わりました」と報告する。投稿時間は1時9分であるため、日付の上では明日ではなく、当日になっている。前田は「途中参加で焦ってます」とし、「明日集中するしかないな」と述べる。
「一旦一息つけたと思ったら、また次が、そんな感じの毎日」を送っており、「頭の中が停止してしまう」ことがたまにあるという。そして「心のうちを書きたくなることなんて、滅多にない私なんですが、今日は書きたくなりました」と告白する。
前田のブログはサービスを提供するアメーバの芸能人ブログランキングで上位の常連になるほどの人気であるが、ブログで弱音を見せることは珍しい。むしろ主演ドラマ『花ざかりの君たちへ〜イケメン☆パラダイス』撮影中など多忙時はブログの更新が途絶えていた。
7月には1週間もブログの更新が途絶えたこともあったが、『花ざかりの君たちへ』の低視聴率や『情熱大陸』での出演態度へのバッシングが精神的に応えていたのではないかとも指摘された。その点で苦しい時にブログを更新しなくなるのではなく、ブログで弱音を見せることはファンに心を開くことになる。コメント欄には「抱え込まずに弱音を吐いていいよ」「あっちゃんが弱音吐いた時はファンの皆で支えます」など温かいコメントが寄せられた。
これに対して、前田は22日10時23分付けの記事「ありがとうございます」で、「皆さん励ましてくれてありがとうございました」と、お礼を述べた。前田と篠田麻里子、小嶋陽菜は朝から猛練習を行い、何とかすっきりできるようになったという。トップアイドルの宿命として何かと逆風を受けることが多い前田であるが、ブログで弱音をさらけ出せるようになったことは大きな強みである。
(林田力)
原発再稼働、原発輸出発言の即撤回を求めます
2011.9.28内閣総理大臣 野田佳彦殿
市民が求め創るマニフェストの会
野田佳彦首相は来年夏に向けて原発の再稼働を行うとし、更に9月22日国連で安全性を高めた原発輸出を行うと表明しました。
日本の進路を誤らせ、被曝者の心を踏みにじる野田首相発言の撤回を求めます
1 国民・市民を騙してきた責任をまだ政府と東京電力はとっていません
活断層上にあっても原発は「絶対安全」と、原発開発当初からその危険性を指摘していた高木仁三郎氏等原子力研究専門家の意見を無視し、日本政府と電力会社は国民を騙し続けてきました。そして今回の大事故を起こしてもその責任をとらず電気代の値上げと増税を進めようとしています。
(原子力安全委員長の斑目春樹氏も今回の事故を人災と認めました:毎日6月9日)
2 原発事故の原因究明がされず、事故が収束されていません
事故後既に6ヶ月を経過しているにも関わらず、事故原因が公表されず、事故収束の工程は二転三転し、危険な状況は続いています(セシウム137だけを比較すると、福島からの放出分は広島原爆168個分に相当する:日経8月27日)。
事故後「原発さえなければ」と遺書を残した自殺者がでています。東電の賠償、被曝者被害者の生活保障、就労保障もまだ終わっていません。
3 日本国民と世界の人々に被害を与え、それに対する、謝罪反省がありません
国民の健康・安全より、経済優先の政策を日本政府はとってきました。それゆえ今回の事故は必然的結果とも言えます。
(福島第1の原子炉は米ゼネラル・エレクトリック【GE】が開発した。そのGE元社員のデール・ブライデンボー氏はロイター通信の取材に対し、福島第1と同型の原子炉について35年前に安全面での不安を指摘していた)
日本政府、東電はスリーマイル島、チェルノブイリ事故から学ぼうとして来ませんでした。
4 菅直人前首相発言を踏襲していません
菅直人前首相は広島平和記念式典時の記者会見で原発に依存しない社会を目指す、これを政策とする、と述べました。野田新首相は同じ民主党でありこれを引き継ぐのは当然の責務であります。電力はすでに原発分がなくても足りており、もし前首相の政策を否定するなら、その根拠を明確にしなければなりません。新政権は自公政権とどこが異なるのでしょうか。
5 原発の稼働は犯罪の継続であります
周知の通り、原発を稼働するたびに放射能が含まれている危険な毒糞(使用済み燃料)が排出されます。この毒糞の保管と安全が保障されない限り、世界のどこの国でも原発を稼働してはなりません。この毒糞は人間が天然ウラン235から核分裂反応を起こさせ、自然界にないものを作り出したのでありますから、自然には還りません。毒糞は子々孫々まで遺伝子の破壊等、害を与え続けます。生成物の半減期プルトニウム239は2万4千年であります。
人々に害を与える行為、これは犯罪であります。この大犯罪を放置していることは犯罪者を見逃しているのと同じであります。原発が日本以外の国で仮に『絶対安全』と主張されても、稼働のたびに出す毒糞保管の安全が保障されない限り、世界のどこの国に対しても原発稼働中止を日本政府は訴えるべきであります。安全性を高めた原発を輸出するなど、野田首相発言は言語道断であります。
6 再生可能エネルギーの開発を遅らせます
日本政府は原発に依存しない社会を目指し、方針を転換し、再生エネルギーの開発援助に全力を投球すべきであります。後藤政志元原子力設計技術者もその可能性を言及しています。しのぎを削る技術開発の世界で、いち早くドイツのように再生エネルギーの研究開発に取りかかることは日本の為にも世界のためにも必要なことです。
7 原発と核の開発は一体です
原子炉がなければ核の開発ができません。日本は非核3原則(持たず、作らず、持ち込ませず)を守っている国であります。この非核三原則は日本に限らず世界各国が守らなければ、世界平和は到来しません。日本はこれまでノーモアヒロシマ、ナガサキを訴えてきましたが、第三の原爆と言える被曝を福島で受けてしまいました。今はノーモア・フクシマとなり、四たび許さないために日本は原発と核の廃絶を訴え続けなければなりません。このことは被曝し、今も困難な状態に直面している福島県民と日本国民が世界に訴える、平和への心からの叫びであります。
8 原子力委員会に寄せられた意見「脱原発」が98%です
国の原子力委員会(近藤駿介委員長)は9月27日、今後の原子力開発の基本方針を示す「原子力政策大綱」の見直しを議論する策定会議を半年ぶりに開いた。
東京電力福島第1原発事故後、原子力委に国民から寄せられた原発に関する意見のうち98%を「脱原発」が占めたと報告された。意見は全部で1万件で、原発に関するものは4500件。「直ちに廃止」が67%、「段階的に廃止」が31%だった。理由は「災害時も含め環境への影響が大きい」「日本は地震国だ」「放射性廃棄物の問題が解決していない」などが多かった。(2011/09/27共同通信)
以上この回答を10月10日まで文書でお願い致します。
市民が求め創るマニフェストの会
石垣敏夫
以下連名
ヘンリー 大津、丸山 南里、原 秀介、景山 恵司、 今村 哲男、正清 太一、石橋 行受、大津 けいこ、池邊 幸恵、千一 鎌倉、林田 力
住まいの貧困ネットが仙台から生放送
住まいの貧困に取り組むネットワークが2011年9月30日18時から19時45分まで仙台より「住まいる チャンネル〜仮設住宅をみんなが暮らせる町に〜」をユーストリームで生放送する。「せんだいメディアテーク 3がつ11にちをわすれないためにセンター」が放送協力する。番組内容は以下の通り。
●仮設住宅情報
●暮らしを新しく立て直すために〜仙台と大船渡の取り組み〜
出演者 鈴木良一さん(あすと長町仮設住宅)ほか
●フローランスさんの見た東日本大震災
出演者 大槻 フローランスさん
●仮設住宅川柳
出演者 乱 鬼龍さん
●阪神淡路大震災を繰り返すな〜早川和男が斬る〜
録画インタビュー
●仮設住宅をみんなが暮らせる街に〜今、行政・支援団体・住民に求められること〜
出演者 中島明子さん、新井信幸さん
『北朝鮮・日本侵攻』原子力発電所の脆弱性
本書(麻生日岳『北朝鮮・日本侵攻』鳥影社、2003年)はタイトルの通り、朝鮮民主主義人民共和国が日本を攻める小説である。しかし、北朝鮮を過度に敵視し、脅威をあおる類書とは一線を画している。北朝鮮の初期攻撃により、あっさりと九州と四国が占領されてしまう。外交も戦術も北朝鮮が上手であった。征服王朝説に基づく天皇家の由来に迫るなど盛り沢山の内容になっている。本書は福島第一原発事故以前に刊行されたものであるが、原発が社会の弱点になることを生々しく描いている。日本政府は全くの無為無策ではないが、有効な対策をとれていない。破滅的攻撃性や秘密主義、被害国民の切り捨てなども福島原発事故対応を連想する。
原発の稼働は犯罪
世界中の子どもたちを放射能から守りましょう静岡県川勝平太郎知事は「使用済み核燃料が処理されるめどが立つまでは、
再稼働させるべきでない」と述べました。(2011.9.13静岡新聞)
この発言は画期的なことです。
原発を活断層上に設置している日本は大犯罪者であります。
事故を起こした日本は世界の国民に謝罪しなければなりません。
川勝知事が認めたように、危険な使用済み燃料の保管が安全にできない今日、世界中の原発を直ちに止めさせることです。
ヒロシマ・ナガサキ・フクシマを体験した日本は、今こそ 世界に向かって原発の稼働中止を訴える役割があります。
戦争犯罪と同じ原発犯罪で東電も日本政府も責任を取っていません。「原発は安全」と国民を騙し続けました。彼らはまだ反省をしていません。
国民を騙し戦争を起こし、不完全でありますが、天皇は象徴に変わり、憲法9条ができ、戦犯東条英機・広田弘毅等は処刑されました。
原発犯罪責任は依然として問われていません。彼らは間違いを認めないから、繰り返すのです、原発犯罪、責任追及をこれからもやっていかないとドイツのように変わることができません。(石垣敏夫)
群馬県警の裏金告発・大河原宗平さん控訴審裁判
警察の領収書偽造による裏金の存在を内部告発したら、私生活の監視を受け続け、冤罪で逮捕され、懲戒免職になった大河原宗平さんの控訴審が東京高裁で始まります。・冤罪で逮捕されたことによる逮捕・損害賠償請求控訴審
日時 9月20日(火)
時間 13:15
場所 東京高裁 824号法廷
・免職・懲戒処分取消請求控訴審
日時 9月20日(火)
時間 14:00
場所 東京高裁 809号法廷
全都・都市計画道路問題交流会が開催
全都・都市計画道路問題交流会が11日に東京都杉並区久我山の久我山会館で開催された。これは都内各地の都市計画道路建設に反対する住民団体の交流会である。最初に東京大気公害裁判弁護団の原希世巳弁護士が「そら(SORA)プロジェクトと被害救済制度」と題して5月に発表された環境省の健康影響調査の内容と意義を報告した。SORAプロジェクトは自動車の排気ガスの健康への影響を調査する大規模なプロジェクトで、排気ガスが小学生の喘息の発症率を高めていると結論付けた。
調査内容は学童コホート調査、幼児調査、成人調査に大別される。コホートは追跡の意味で、小学生を5年間追跡調査した。その結果、幹線道路に近接している場所に居住する小学生は幹線道路から離れた場所に居住する小学生よりも喘息の発症率が高いと統計的に裏付けられた。
追跡調査を1回しかしなかった幼児調査では関連性は出なかった。追跡調査をしなかった成人調査でも関連性は出なかった。但し、非喫煙者のみを対象とすれば、排気ガスと喘息発症率に関連性が確認された。また、成人全体では排気ガスと「持続性のせき・たん症状」に関係が認められた。
原弁護士は「これまで国は排気ガスと健康被害の因果関係を認めていなかった」として、SORAプロジェクト調査結果の画期性を強調した。「幹線道路を建設することが、いかに沿道の健康を脅かすか」と述べ、「これは(住民にとって)大きな武器になる」と結論付けた。そして「国に対して公害被害者救済制度の創設を求めていく」と語った。
ところが、松本龍環境大臣(当時)は5月27日に以下のように述べて、被害者救済制度に否定的な見解を示した。
「SORAプロジェクトの結果でも関連性の程度や大きさは確定困難なこと、幼児や成人の調査で関連性が見いだせないことから、自動車排ガスが喘息などの主たる原因とは考えられない。」
これに対して、原弁護士は「関連性の程度などを確定させるような疫学調査は大気では事実上不可能」と反論する。また、幼児や成人の調査については追跡調査が不十分であることによる調査制度の問題とした。直近の方針として、「臨時国会に提出する大気汚染公害被害者に対する新たな救済制度を求める請願の署名集めを推進する」と述べた。現在は26万筆集まっており、50万筆を目指すという。
会場からは以下の意見が出された。
「マンションの10階に住む小学生が喘息患者であったが、2階建ての一戸建てに転居した途端、喘息が治った。排気ガスが上方に滞留するのではないか」
「過去には大気汚染の健康被害は道路沿いに集中していたが、最近では地域全体に広がっているのではないか」
続いて都内各地から道路問題について報告がなされた。府中市の「都道小平3・3・8号線計画を考える会」は小平都市計画道路3・3・8号府中所沢線の問題を報告した。道路建設によって玉川上水と両側の緑道が分断されると主張した。
世田谷区下北沢からは補助54号線などの問題が報告された。小田急線の地下化が完了する予定で、跡地の利用問題が浮上している。裁判官は住民が提出した証拠をよく見てほしい。交通量は横ばいまたは減少の見込みで、今後、自動車交通が増えることはない。都市計画道路は抜本的に見直した方が良い。アンケートを実施し、約1200通の回答を得た。補助54号線を「当面、建設する必要はない」との回答が約88パーセントであった。
同じく世田谷区の二子玉川再開発問題では世田谷区の動きが報告された。二子玉川再開発では駒沢通り(補助49号線)や補助125号線(多摩堤通り)など道路の拡幅・整備も計画されており、立ち退きや交通量の増大による騒音・排気ガスの問題も抱えている。
世田谷区では「平成23年度行政経営改革重点調整事業」と題して、「二子玉川東第二地区市街地再開発組合(2期)への補助事業精査」と「道路事業の一層の効率化」を掲げた。これまで開発案件は聖域化されており、「初めてチェック項目に入った」とする。住民側は「不要不急の道路に金を使うなと主張していく」とする。
また、二子玉川公園では立ち退きを拒む収容対象家屋を残し、住み続けられるようにする方針が確認された。「大きな公園は犯罪の温床になる危険もあり、住民が残った方が周辺コミュニティーにとっても安全」と語った。
東京あおぞら連絡会からは「ミュンヘン市の都市再生と自転車道」と題する報告がなされた。ドイツでは「トラック一台分の薬より、一台の自転車」という健康推進の標語があり、自転車の利用を推進している。中心市街地に車を入れない。電車は自転車積み込みが一般化している。また、ミュンヘンでは建築規制によって高層ビルが建設されていない。東京と正反対であるとした。
府中市の「東八道路の延長計画を撤回させる会」は東京八王子線(東八道路)について報告した。建設予定地は第一種低層住居専用地域であり、作ってはならない道路と主張する。「住居専用地域は居住環境地域として指定しており、幹線道路等都市計画道路は建設しない」とする東京都の都市計画道路建設方針に違反している。今後の動きとして運動を組織化する。大気汚染の学習会を計画中である。不要不急の公共事業の予算を震災復興に回すとした。
「田無3・4・7を考える会」は、東大農場・演習林を分断する道路建設の問題を報告した。交通量は緩和している。市民にとって道路は不要で、自然を守りたい。絶滅危惧種のオオタカが確認された。行政も渋滞緩和とは言わなくなり、災害対策を名目にし出した。しかし、道路ができると避難者が不便になる。
最後に標博重氏から問題提起がなされた。住民団体の共同行動が重要である。東京の交通量も減少する。人口は減少し、特に生産年齢が激減する。車の利用も減る。車の利用率が減り、鉄道の利用率が増えた。幹線道路の新設ではなく、既存の歩道のない道路に歩道を付けるなどの改良に政策転換すべきである。東京が一番遅れている。都市計画道路ネットワーク論が諸悪の根源であり、これを廃止できれば大きく変わるとした。
会場からは「福島第一原発事故の影響で、東京の人口が減少した。放射能汚染からの非難である。さらに立川断層が危険であると騒がれている。東京の人口は一層減少するのではないか。」との意見が出された。
集会終了後は「玉川上水・すぎなみの会」の案内で、玉川上水沿いの放射第5号線建設予定地を視察した。建設地はケヤキなどの樹木が茂るグリーンベルトとなっている。道路建設を進める東京都第三建設事務所側は「既存樹木は保全する」と説明するが、「すぎなみの会」側は「道路建設は歴史環境保全地域としての価値を損なう」と批判した。現地では既に買収された土地はグリーンのシートに覆われた無残な姿をさらしていた。(林田力)
『だましの技術!』の感想
本書は詐欺や悪徳商法の実態を暴き続けたルポライター・多田文明氏とプロのマジシャン・ゆうきとも氏が「だまし」をテーマに行った対談である。私は新築マンション購入でだまされた経験があるため、興味深く読み進めることができた(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社、2009年)。本書の特色は対談の組み合わせの異色さにある。多田氏には「マジシャンのだましと悪徳商法のだましは、娯楽か詐欺かの違いこそあれ、人の感情を揺さぶり、意のままに操るという点において、全く同質なのだ」(まえがき)という問題意識がある。それを出発点に、客をだまして儲ける悪徳商法(負のだまし)の被害経験があるルポライターと客をだまして楽しませるマジシャン(正のだまし)が「だまし」という共通項から「だまし」の技術や、だまされる側の心理を明らかにする。
悪徳商法の告発は「悪徳商法は許せない」という正義感があって可能になる。正義感に基づく悪徳業者への怒りは告発の原動力であり、不可欠な要素である。しかし、道徳性を前面に出しすぎると、悪徳業者の騙しの手口を冷静に分析する上では有害なことがある。
実際、悪徳商法の責任を追及した裁判で被害者が敗訴してしまうことがある。法の不備や裁判官の保守性が原因であることが多いとしても、「悪質である、不当である」という価値判断が先走りし過ぎて法に則した形で違法性を主張立証できたのかという点を被害者としても総括する余地がある。
本書では、だますことで客に喜ばれるマジシャンを対談相手とすることで、だましの手口やだまされる側の心理について善悪以前の問題として冷静に分析することに成功している。「だまし」という点で詐欺師と同列に扱われることはマジシャンにとって決して面白い話ではない。書籍『人はなぜ簡単に騙されるのか』の著者である、ゆうき氏だから引き受けられた対談である。
一方で悪徳商法を告発する側にも本書の企画には問題がある。詐欺師の手口をマジシャンの技術と同列に扱うことは、詐欺師の評価を高めることになりかねず、悪徳商法の被害者にとっては感情的に受け入れがたいものがある。被害者としては「詐欺師=悪人」として詐欺師の全人格を否定しなければ気が済まないという面があることは事実である。それくらいの怒りがなければ悪徳商法に立ち向かい、被害を回復させることは難しいことも現実である。
本書は内容的に手品に関心がある人よりも悪徳商法に問題意識を抱いている人をターゲットにしているが、憎むべき詐欺師をマジシャンに匹敵する技量の持ち主と持ち上げるならば、主要読者層から反発を受ける危険性がある。この点は身をもって悪徳商法を体験し、精力的に告発を続ける多田氏だから容認できるという面がある。
単に面白おかしくマジックと詐欺のだましの技術を共通化した内容であったら、読後感は悪かったと思われる。その意味で本書はユニークなだけでなく、ルポライターとマジシャンの双方にとって、これまでの声望を損なうリスクもあった挑戦的な企画でもある。困難な企画を成功させた本書は、だましのメカニズムを知りたい人にとって参考になる一冊である。(林田力)
弁論終結から判決言い渡し
弁論終結から、判決が出るまでの期間は裁判によって区々です。東急不動産だまし売り裁判では2006年6月28日に結審し、8月30日に判決が言い渡されました。
二子玉川ライズ住民訴訟では2009年11月20日に結審し、2010年5月25日に判決言い渡しとなりました。
この二つの裁判は結審後に和解協議は行われていませんが、結審後に和解協議が行われる裁判もあります。その場合は若い決裂後に判決言い渡し日が決められることになります。