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2011年10月4日0時42分

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なるか「お宝発見」 球場解体で埋蔵文化財調査 広島

 第2期解体工事が本格的に始まる旧広島市民球場(広島市中区)で、遺跡の確認がひそかに注目されている。一帯はかつて広島城郭内として栄え、多くの武家屋敷があったとされる。工事に合わせて広島市が調査するが、埋もれた「財」はあるのか――。

 旧市民球場は1957年建設。市文化財課によると、球場周辺は江戸時代、広島城の中堀と外堀の間に位置し、武家屋敷が存在していたとされる。だが建設当時、近世の遺跡は埋蔵文化財として扱われておらず、調査の対象になっていなかった。そのため、遺跡があるかどうかの確認や発掘をすることなく、球場が建設されたという。

 広島市では80年前後から、広島城郭内の遺跡について、「広島の歴史を知るうえで重要」と判断し、埋蔵文化財として位置づけている。周辺を開発する際は、工事現場に市職員が立ち会うなどして、埋蔵文化財がないかどうか調べてきた。

 文化庁は98年9月、近世の遺跡について「地域において必要と判断される」ものは埋蔵文化財として取り扱うと定義づけ、全都道府県に通知を出した。広島市も2000年4月、市埋蔵文化財取り扱い基準を施行し、扱いを明文化した。

 旧市民球場では、昨年11月に第1期の解体工事を開始。バックネット裏と一塁側スタンドの基礎部分を取り除く際、同課職員も立ち会ったが、埋蔵文化財は見つからなかったという。同課では「建設当時は、もし武家屋敷跡があったとしても、基礎工事でずたずたに破壊している可能性はある」と危惧する。

 球場の大部分を占めるグラウンドについては、建設時も、地中での基礎工事をしていない可能性が高い。グラウンドから、埋蔵文化財が出る可能性もあるが、「グラウンドを掘り返すような工事は予定していない」と市営繕課。

 文化財が見つかった場合は、文化財保護法で、現存のまま保存するか、壊す場合は本格的な発掘調査を行い記録に残すことが義務づけられている。広島城の学芸員は「旧市民球場の位置に、江戸時代の武家屋敷があったことは絵図などの資料からは分かっている。それが裏打ちされることを楽しみにしている」と話す。

 球場跡地は、13年春に開かれる「全国菓子大博覧会・広島」のメーン会場となる予定だ。(倉富竜太)

    ◇

 〈広島城〉 1589(天正17)年に、毛利輝元が中国地方制圧のため太田川河口に築城を始めた。通称鯉城(りじょう)とも言う。内堀・中堀・外堀のある約1キロ四方の広大な城だったとされる。天守閣は1931(昭和6)年に国宝に指定されたが、45年の原爆投下で倒壊したため、58年に鉄筋コンクリートで復元された。内堀と本丸、二の丸は53年、広島城跡として国の史跡に指定された。

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