政治資金を巡って収支報告書にうその記載をしたとして強制的に起訴された、民主党の小沢元代表の初公判が、6日、開かれます。小沢元代表は、全面的に無罪を主張する方針で、裁判では検察官役を務める指定弁護士と激しく対立することになります。
民主党の小沢一郎元代表(69)は、資金管理団体が土地の購入資金に充てた4億円を巡り、元秘書らと共謀して収支報告書にうその記載をしたとして政治資金規正法違反の罪に問われています。小沢元代表は、検察の捜査では不起訴になりましたが、検察審査会の議決によって、強制的に起訴されました。初公判は、6日午前10時から東京地方裁判所で開かれ、小沢元代表は、全面的に無罪を主張する方針です。小沢元代表は、書面を用意しておよそ10分間にわたってみずからの主張を述べる見通しで、小沢元代表の発言が注目されます。裁判の争点は、収支報告書にうその記載があったかどうかと、小沢元代表が元秘書の石川知裕衆議院議員らと共謀していたかどうかです。検察官役を務める指定弁護士は、石川議員らが捜査段階でうその記載について、「小沢元代表に報告して了承を受けた」と供述していたことなどを根拠に、共謀は明らかだと主張する方針です。これに対して、小沢元代表は、うその記載ではなく、元秘書から説明を受けたことも了承したこともないと主張するものとみられます。石川議員らの裁判では、取り調べに問題があったとして供述調書は採用されておらず、小沢元代表の裁判で供述調書の信用性がどう判断されるかが焦点になります。また、指定弁護士は、小沢元代表が提供した4億円について、石川議員が表に出せない金だと判断して報告書に記載しなかったと主張する方針です。石川議員らの判決では、「4億円の原資について小沢元代表は明快な説明ができていない」と指摘されており、小沢元代表が4億円の出どころについてどのように説明するかも注目されます。判決は、来年の4月下旬に言い渡される見通しで、裁判は双方の主張が激しく対立する展開になります。